第10話


第10話



  Epilogue



 ここにふた粒のハスの種がある

 あの夏の日に 畔に落ちていた種


 きっと ハチスが弾けたのね

 とてもいい香りがするの 花の香り


 ハスからのプレゼントよ

 大切に持って帰って来たものなの


 今 私の手の平の上には

 二千年の命がのっている


 エスター これを二人で大切に

 育てていきましょう


 

あなたが指で穴をあけて

 種を ポトンポトンと落として

 私が 土と水をかけるわ


 あの春の日から あの初冬の日まで

 私は付かれたようにハスを

 観た!魅た!撮った!


 このお話を書いている記念に

 種の写真も

 残しておこうと思う



 この話の続きはまた……

 ふたりで紡いでいくのよ。



               (了)


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『 奇跡のハス・宇宙の優しさ豊かさ 』 乙音 メイ @ys-j

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