闘病記、序章です。

勝手に三部作の一部だと思っています。闘病記は①から②へ続き、そして詩集へ。あとを追うごとに希望の色合いが濃くなっていくというのは、私の勝手な願望でしょうか。

はじめは体の辛さ、希死念慮や薬のことが描かれます。
徐々に治療を通しての、医療者とのやりとり、好きだった母親との死別、過去の嫌だった思い出、などか描かれ、だんだんと「元気になりたい」という感情が描かれるようになったと感じました。

控えめな口調から、もしかすると普段から、ご自身の気持ちを抑えがちなところがあるのかもしれません。たとえば、大好きなお母さんと関わるときでも、「もう少しかまってほしい」。このもう少しという子供らしい願望を、相手に気を遣って心の中に抱え込んでしまうような、思慮深い子供時代を送られていたのかなとと感じました。


大切な人と死別する経験はほんとうに辛いと思います。普段から体の強い人でも具合が悪くなるような、ショッキングな出来事だと思います。

闘病記①と②が二十話溜まった時に投稿された詩集が、思いのほか明るいトーンで始まったことに驚きました。素直に自由に言葉が流れ出ているよに感じます。この詩集が、著者にとっての希望、あるいは普段遠慮しがちな心のうちを自由に描き続ける場であるように、祈っています。

自由な創作が、どうか容子さんの生きる糧になりますように。喪失の悲しみを乗り越える力や、不安を打ち消す力になりますように。