おまけ007 面白さって、慣れじゃないかな

 ●2020年6月7日(日)


 しばらく記事を書かないうちに、世の中は新型コロナウイルスの流行で緊急事態宣言が発表されたり、大変なことになってしまいました。


 おかげ様で元気にしています。


 お取り寄せで神戸の南京町から牛腩飯ぎゅうなんはんを買いました。


 学生時代に過ごした神戸の思い出の味です。久しぶりに食べたくなって、晩ごはんに家族にも出したのです。


 すると娘が「変な味がする。粘土みたいな……?」と気まずそうな顔でいうじゃないですか。


 どういうこと!?


 と思って自分でも食べてみましたが、娘はどうも、牛腩飯ぎゅうなんはんに使われているスパイスの八角はっかくの匂いが苦手だったようです。普段全く食べつけない味(匂い?)だったので、美味しい匂いだって感じられなかったみたい。


 私にはそれはまさに牛腩飯ぎゅうなんはんの香りです。


 美味しそうな匂いだったのです。


 どうやら美味しさって慣れだったりするようです。


 甘みや塩気のように、生まれつき本能的に感じられる美味しさもあれば、ほろ苦さや、個性的なスパイスの香りのような、食べ慣れることで美味しいって感じる風味もあるみたいです。


 物語の面白さというのも、もしかして、それかなと思います。


 よく読み慣れた、親しみのある作りのもののほうが、そのノリや面白さを掴みやすいけど、読み慣れないものは何がいいのか、悪いのか、ピンとこないことも……。


 面白い物語を書くには、いろんな作品をたくさん読みなさいって、よく言われますが、それも物語の味覚を拡げるためがあるのかもしれないですね。


 そんなことを考えつつ、美味しいのになぁと思って、むしゃむしゃと牛腩飯ぎゅうなんはんを食べました。


 懐かしい神戸の味がしました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

椎堂かおるの作品総覧 椎堂かおる @zero

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る