end world
「あなたの言っている意味、わたしにはわかったようでわからないわ」
「きみの言っていることだってわからないさ。でもね、会話なんて大抵そんなものだと思わない?」
「意味について考えたことある?」彼女は質問に応えないままぼくに問う。眼球を舐め続けながら。彼女は涙の味が好きらしい。
「ぼくは、意味のないことを考えることはあんまりしないかな」疲れるから。
「意味のないことを知るまでの過程に意味はないのかしら?」
「意味を『意味』という言葉で説明してるよ。それはすなわち『甘い』とか『痛い』とか、そんなものと同じだ。説明できないもの、それに意味はないんだよ」
「だったらもう、言葉なんていらないの?」でも、
「それはお別れの言葉かい?」ぼくらはそれを感じることができる。
「最期まで痛みも愛もわからなかったわ」ぼくにとってきみがそうであるように。
「またね」
そしてぼくらは白紙に戻る。
最終世界 久山橙 @yunaji
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