のらりくらりと現実と虚構を飛び交うような

エメーリャエンコ・モロゾフ。
誰だ?というのが第一印象。ロシアっぽい名前、ロシア文学といえば人名が厄介なイメージが強いが……と読み始めてみたら、厄介なのは文体だった。それにこれは、ロシア文学ではなかった。

読者を煙に巻くような言い回しや、押し付けられる思想とエロス。なんだこれはと言いたくなるが、読み進める手は画面のスクロールを止められない。
本能でこの作品が面白いという事に、気付いてしまったのだろう。
ぶっ飛んでいる。いや、ぶっ飛ばされた。