現実がまだ不明瞭な輪郭であった時代の夢物語

とかく昔の人って想像力豊かだったんだなあ、と常々思います。
というか、なんて頭の良い人たちなんだろうった思う。

NINJAは三平方の定理を用いてお堀の水深を測っていたというし、古くからかなり高度な数学が娯楽として認知されていた。

それに対して、現代ってある意味つまらなくなったんだなと感じてしまいます。大抵の不思議は科学的に説明がついてしまうし、幽霊だとかUMAだとかは巧妙なトリックやCGでいくらでもごまかせるようになってしまった。
なーんかつまんないよなぁ。あらゆるワクワクにはもう答えが貼り付けられているんだもの。

さて本作の一本目は、センター試験の苦い思い出を彷彿とさせる古文形式での物語。
僕はこういうクラシックな文体や世界観があまり合わなくて、いつも敬遠してしまいます。

今回も読むのに時間はかかりましたが、しかし適度に読みやすく、物語も割と現代的な構成になっており、最後の方はぐっと惹き込まれました。

男女のほろ苦い関係性、それをやや引いた立ち位置から見る野郎たち……青葉節全開ですね!
でも失恋じゃない! どっちも人間だった!

このまま二人は、お互いにお互いが幽霊だと思い込んだまま満月に逢う関係性を貫いてほしいですね。

どうやらまだまだ続くようです。また更新のストック溜まったら読ませていただきます(*´ω`*)