第2話 姉妹団議会
「うん。それは間違いなく恋ってやつだ」
騒動後の夜。2人部屋でのお喋りの時間。
そう高らかに、私の姉は断言する。
「え、本当? だって私なんかかっこいいなって思っただけだよ?それを恋っていうのかなぁ……」
「言うのさ、それが。いいかい、わが愛しの妹よ。恋なんて好きの最上位互換って感じだよ。別に誰かに凄いことされたとか、世界を救ったとかそんな大きすぎることでしか恋が起きるわけがない。基本は何となく、だ。そんなの誰でも知ってることだぜ?」
「えぇ……そんなテンション高めで言われてもなんだかなぁ」
「えぇいさっきから一時間も同じ話してる時点で気があるんだよ! 他の話に変えてもすぐそのちび君に話が戻るし……うむ。じゃあ一つ質問をする」
「質問? それでイエスとでも思えば確定なわけ?」
「もちのろんですよ。ではさっそく。その助けてもらったあと、心臓はバクバクなってたかい?」
答えはイエスだ。姉の話はそのまま続きそうだったので、首を上げ下げすることを返答とした。それを満足そうに見た姉は、突然私の心臓のあるところを触りながら続きを喋る。
「体はね、脳で考えてるよりもよっぽど正直なんだ。痛いときは痛いっていうし、だるいときはだるいっていう。それと同じで、心臓がどきどきしたってことはそれはもう一目ぼれってやつだ。違うかい?」
なんか姉の動作と言葉遣いが正直考えてしまうような何かを想像させてしまう……のでとりあえず無視。
その瞬間、あの時のことを思い出して赤くなってしまう。
しかし本当に恥ずかしくて顔が赤くなるってあるのか!
「……! そうかも……しれない。でもどうしたらいいかなんて分からなくて」
それだけ返すと姉は誰から見ても気持ちいい笑顔を私に浴びせた後、
「お姉ちゃんに任せなさい!」
と胸を張って答え切ったのであった。
それは、私のための物語 @DomusAurea
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。それは、私のための物語の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます