後書き

皆様、はじめまして、こんにちは。筆者です。


この度、「彼女がいない。」を手に取ってお読み下さり、まことにありがとうございます。少しでも面白いと思って頂ければ、この上ないほど嬉しく、そして幸いに思います。


さて……あとがきという名の補足的なモノを、本文から引用しながらぼそぼそと書いていきます。興味がある方は、よろしければ、どうぞ。



> 生活に必要最低限のモノしか置かれていないが、今のところ不自由な思いをしたことはない。


主人公こと“まーくん”が思う必要最低限なモノ……その中に、肉を切る大きな刃物が含まれている。



> あるのだ。……玄関に、彼女が履いている桃色をしたハイヒールが。私は「この家から出ていません」と主張するかのように。


彼女が“履いている”桃色をしたハイヒール……ええ、現代進行形で“履いている”んです。足首より下の足“だけ”で。



> 心の底に積もっていた鉄の錘が、一瞬にしてストンと消え失せる。


カニバリズム(プロポーズ)をしたのに、ワンルームから忽然と消えたのかと焦った。



> ひょこっと中を覗き込むけど、人の姿はない。


(五体満足)の“人の姿”はない。つまり、彼女の身体の“一部”ならある。



> あいにく、僕はお腹がいっぱいなので、彼女が作った朝食は食べられそうにないが……。


カニバリズム(プロポーズ)をした後なのでお腹がいっぱいなのは当たり前。


> 何を作っているのだろうとまた覗き込むけど、やはり彼女の姿はない。


彼女の(五体満足の)姿はない。



> 上にかけるはずのケチャップが、何故か散乱してしまっている。


言わずもがな血。



> 途端に心臓がバクバクと急速に鳴り出し、息が乱れて焦点も合わなくなって身体中から汗が噴き出してきて頭の中で「まーくん、まーくん」と彼女の僕を呼ぶ声がフラッシュバックして僕はゆっくりと彼女の首に手を伸ばして――。


過去の記憶。



> ……あ。


すべてを思い出す。



> これから僕を形作る栄養として、肉として、血として生まれ変わり、彼女は僕の身体の中で永遠に生き、僕を支え続けるのだ。


だからこそ、カニバリズム=プロポーズ。



> ついでに何故か涙もとまらない。


 傍にいる(はずの)彼女に触れられなかったり、体温として感じられなくて心は悲しんでいる。



> 何はともあれ……彼女、美味しかったです。


食欲>恋愛の方程式を表しているつもり。“まーくん”は人間の3大欲求の1つである食欲に忠実だったということ。彼女を愛するが故に行ったカニバリズム(プロポーズ)は、食欲のこじつけでしかなかったということです。



……はい。


ではでは、最後までお読みくださり、本当にありがとうございました!


それでは、別の作品にて、またお会い致しましょう。


「彼女がいない。」

――15/07/13【完】

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彼女がいない。 真神優貴 @MakamiYuuki423

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