若さを武器に直球で物語を紡ぐ人が多いカクヨム甲子園で、全文を手紙という形をとった物語です。
それだけでもアイディア賞の異色作なら、その内容は溢れるほどの愛に包まれています。
夫から妻へと送られる、永久不変の愛。
妻から夫へ宛てられた、何時いかなるときも変わらぬ愛情。
子供から両親へと返される、素直に好きと言えぬ真心。
時にストレートに、また時には変化を付けて、暖かくも優しい言葉で物語は進行します。
そして目を引くのは、文字として書き表されてはいない行間の取り方。
言葉の余韻と想像を書き立てる手法は、それだけでも秀逸と言えるでしょう。
若き才能を募ったカクヨム甲子園でも珍しい技巧派の作品、是非ともお読みになってください。
既に1話目から胸にグッとくる内容ですが、2話目、3話目……と先を読むほど感動が押し寄せてきます。
この物語に出てくる家族の絆というのは、あまりにも距離が遠すぎるので、細くて小さな糸かもしれません。ですが、それは絶対に切れません。とても、とても強いです。
ネタバレになるかもしれないので、あまり多くは語れないのですが、この家族の境遇は決して甘くはありません。それでも物語の中は、家族の愛を感じさせる言葉で溢れています。読んでいてどこか温かくなります。
タイトルの通り、素敵なお話です。
彼女たち家族の絆は、青く澄んでいるから……、
読んだ後の皆さんにも、きっと素敵な絆が待っていますよ!