007  真田優作Ⅵ

 それから優作ゆうさくたちは真冬の案のミステリーリレー小説ゲームを始めた。

 最初に、優作から順に真冬まふゆ理恵りえゆい敦史あつしの順に回る。

 このゲームのルールとして、登場人物や場所はあらかじめ、皆で決めることとする。その後から話がスタートするという内容だ。

「それじゃあ、俺から始める。ある所に優雅な生活をしている大富豪の娘がいました。その子の名は及川真冬という大変綺麗な美少女がいました。ところがその家に大事件が起きたのです。ある日、彼女の夫・及川太郎が、銃殺されたのです。場所は近所にある湖の公園で、散歩をしていた時の事でした」

「ちょっと待った‼」

 真冬が突然、話に割り込んできた。

「な、なんですか? まだ、俺の話の途中ですよ。何かおかしなところがありましたか?」

「おかしなところ? なんで私の夫が優君じゃないの? そこだよ‼ そこ!」

「じゃあ、話を続けるぞ……」

「ね、ちょっ、聞いているのー⁉」

 真冬は叫ぶが、優作は無視して、話の続きは始めた。

「そして、二週間後。彼女は容疑者だと思われる三人を自分の屋敷に招待したのです。三人ともアリバイがあるが、彼女はこの三人を誰よりも疑っていました。その三人とは、真田優作・上田唯・小野敦史でありました。ここで俺はストップするからここからは先輩に任せます」

「あ、うん。ええと、その三人を私……あ、違った。真冬は彼らが門から車で屋敷に入ってくるのを眺めていました。わた……真冬の側近にはメイドの春風理恵という完璧なメイドがいました」

 真冬は一度、深呼吸をして呼吸を整えると話は序盤から中盤に差し掛かってきた。ここまでは大体話が繋がっている。

「あ、ここで私が出てくるんだ……」

 理恵が、ボソッと呟いた。

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