第17話 あとがき

このお話は一応ノンフィクションです。

時系列や出来事は事実にほぼ則しています。

ただし、ナナの言葉や感情の部分は、あくまで私の想像(妄想)です。

ワンコは話せませんからね。

ナナの表情や態度から、きっとこう思っていたのではないか…、私がナナの立場ならきっとこう考えたのではないか…。

そういう観点から文字にしてみました。

親バカと言われても仕方がないですが、私はあながち的外れではないという自信はあるつもりです。

そして、今までもこれからもそうであってもらうために、私は毎日ナナと接していきたいと思っています。

けして見離したりせず、最期を看取る覚悟を持って…。



ナナの身に起こった出来事は、世間一般から見れば些細な不幸かもわかりません。

しかし、1歩間違えば、ナナも保健所へ送られていたかも知れないのです。

偶然が重なったおかげか、運命なのかは誰にもわかりませんが、私は、偶然にも運命にも左右されなくとも、安心して動物達が人間と共存出来る社会になる事を願います。

不幸な境遇の動物が多過ぎます。

虐待、飼育放棄、遺棄…。悲しいですが現実として再三耳にします。

命ある生き物です。感情だってあります。人間よりはるかに短い一生を背負って、その短い一生をより濃密に過ごそうと、精一杯生きています。

動物を家族に迎え入れようと考えるならば、そのすべてを受け入れてあげて下さい。

どうか最期まで。出来る事には人それぞれ限界がありますが、出来る範囲でいいんです。

自分に出来る範囲で精一杯やったなら、人間にも動物にも悔い残りません。

そういう信頼関係が成立して、はじめて家族と言えるのだと私は思っています。


ナナがお空へ昇るその日が来るまで、私は出来る範囲で精一杯ナナと接してまいります。

…ですが、どうかその最期の日が、遠い遠い未来の事でありますように…。







最後にご報告です。

ナナはお空へと上がりました…。

7歳11ヶ月13日の生涯でした。

家族になって5年5ヶ月でした。

異変を感じて病院にかかった時には、すでに手の施しようのないくらい病魔の進行がナナの身体を蝕んでしまっていました。数日の通院で、手術の予定も組んでいただいていましたが、それも出来ないまま旅立ってしまいました。

身内だけのお葬式をし、簡素な祭壇にではありますが、家族と共に祀っています。

ナナは、あれから全国各地から沢山の贈り物が届く人気者になっていて、沢山の花束やお悔やみの品を送っていただきました。

共に過ごした歳月は、宝物です。

家族を明るく照らしてくれた、太陽のような存在でした。保護した我々のほうがいつの間にか沢山沢山救われていました。

今はお空で元気を取り戻し、走り回ってくれていると信じます。

毎年、命日にはお花を贈って下さる方々もいて、あの子はやはり人気者であり、幸せ者です。



ナナ、素敵な日々をありがとう。

きっとまた会おうね。

またいつか必ず家族になろうね。

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