世界の法則を書き換えて崩壊寸前の異世界を救え
- ★★★ Excellent!!!
謎の人物ソロモンに「異界管理者」として雇われた三十二歳独身男・坂本京太郎が、滅亡寸前に陥った異世界を救う。
新人「異界管理者」の京太郎に与えられたのは、世界の法則を改変するルールブックの力。
世界の法則を自由にできるなら最強じゃん!と思うが、そうは問屋が卸さない。
彼が新しくルールブックに書き加えられるのは『生物』と『技術』、そして『管理者の情報』だけ。
さらに彼に任された異世界は、前任者が好き勝手にルールを作ったせいで世界のバランスが崩壊寸前。
勇者は不死で神も殺せる武器を持っているし、魔族も固有魔法というルールブック以上の力を持っていて、世界の管理者といえども万能で無敵とはいかないのがもどかしい。
しかも異世界に行けるのは就業時間の朝9時から夕方5時まで、完全週休二日制というホワイトな職場だけれど、それが制限時間になってしまう。
いろいろな縛りがある中で、手探りで世界を救う方法を模索していくストーリーが面白いのだ。
もし自分なら世界にどんなルールを創造するか、そんな想像力を掻き立てられる作品だ。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)