今の大体の俺TUEEEは敵が出てー>主人公パワーで倒す、誰か困っていてー>主人公パワーで助けるのパターンで繰り返しになっていますが、この作品は一味が違うの思います。主人公の能力は確かに反則的何ですが決して万能ではありません、また主人公が負けるか死ぬ可能性があると作品が常に表現しています。そうならないよう、主人公の工夫や慎重(?)な行動は面白いと思います。
作品のもう一つの特徴は主人公にとって、異世界があくまでも職場とドライな認識がありながら、善人の主人公はまだ困っている人を助けたい気持ちが残っています。皆を幸せにするという偽善な発言を吐きながら自分の仕事をこなせる主人公のプロ感がいいと思います。
続きが読みたいです。
単純な「俺ツエー!気づいたら美少女の嫁ゲット!」みたいな作品ではないです。
現実と異世界の二つの舞台があるのですが、現実の方はドライで、イメージとしてはモノクロで味気ない、正しくコンクリートような灰色です。
対して異世界は、主人公の能力が遺憾なく発揮され、人々の動きも活発で色彩豊か、もうここに拠点を移せばいいと思うだろうに、あくまで主人公の軸は現実にあります。
ここが面白いところで、現実的な在り方を失わない主人公と異世界、そして背後にあるミステリアスな現実が混ざることによって、魅力的な作品に仕上がっていると思います。
今後の展開によってはかなり期待出来る、オススメの作品です!
謎の人物ソロモンに「異界管理者」として雇われた三十二歳独身男・坂本京太郎が、滅亡寸前に陥った異世界を救う。
新人「異界管理者」の京太郎に与えられたのは、世界の法則を改変するルールブックの力。
世界の法則を自由にできるなら最強じゃん!と思うが、そうは問屋が卸さない。
彼が新しくルールブックに書き加えられるのは『生物』と『技術』、そして『管理者の情報』だけ。
さらに彼に任された異世界は、前任者が好き勝手にルールを作ったせいで世界のバランスが崩壊寸前。
勇者は不死で神も殺せる武器を持っているし、魔族も固有魔法というルールブック以上の力を持っていて、世界の管理者といえども万能で無敵とはいかないのがもどかしい。
しかも異世界に行けるのは就業時間の朝9時から夕方5時まで、完全週休二日制というホワイトな職場だけれど、それが制限時間になってしまう。
いろいろな縛りがある中で、手探りで世界を救う方法を模索していくストーリーが面白いのだ。
もし自分なら世界にどんなルールを創造するか、そんな想像力を掻き立てられる作品だ。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)