切り取られた風景を脱し、広大な情景へ。ローマ風ファンタジー

その世界はあまりに狭い世界から物語を開始する。

ただ闘技場に向かっ立つだけの日常。
限られた武器を駆使して死闘を尽くす。
そして目的はただ一つ、目の前の敵を倒すこと。

だがそんな狭隘な世界に生きてきた主人公ヒエラスが目的を得、使命を得て外へと出ることで、拡がっていく視界は彼の眼を通して解放感とともに我々の心にも爽やかさとともに伝わってきます。

リアリティあふれる剣闘と風を感じる旅情は、他には見られない独特の味を持っています。

今後に期待が持てる良作です。

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音色の影

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