第3話 じゃあ初回サービスってことで

母さん、トート、タータ。兄さんは冒険者になれないままスフィンクスに食べられて死にます。


「…そんなの嫌だーーー!?!?」


「うおおおおどうした!?」


遂にあまりの恐怖から涙腺が緩み泣いてしまった。


スフィンクスも事態について行けないようでおどおどしている。


「だっっで…、冒険者になって依頼とかを上手くこなせなかったら…とがは流石に考えでだけど…ごんな冒険者にもなれないままじぬなんて…」


「家族を楽にさせだくて多少危険があってもがんばろうどおもっだけど…それにしたってあ"んまりじゃないでずがぁぁぁ!?!?」


最後はもうほとんど叫び声のようになってたし途中から自分でも何を言ってるかわからなくなった。


ぼろぼろ流れる涙も栓を無くしてしまったかなように止まらない。


「あー、うん!じゃあ、ね!こうしよう、初回サービスってことで多少つまらなくても目をつぶろう!!ね!?」


根負けしたようにスフィンクスが慌てて言った。


ていうか初回サービスだなんて、スフィンクスなのに人間の商人みたいな言葉が出てきたな…。


「ぢなみにどのれべるだっだらゆるざれるんですか…?」


「日光に弱い体質でだと思ったら実は人間の母親がヴァンパイアと浮気して生まれたのが自分だって17の時に知らされたけど、その頃にはもうトマトン農家として太陽のもとでずっと働いてたおかげで日光耐性がカンストしてたヴァンピールの話くらいかな」


「ふづうにおもじろ"い"じゃ"な"い"でずがぁ"ぁ"ぁ"」


そもそもそんなヴァンピールがいたら最強すぎる。どんな奇跡で生まれたんだそんな化け物。


「大丈夫かお前戦闘時のバンシーみたいな声になってるぞ」


「あ"な"だの"ぜい"でずっ"!!!」


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