第9話 俺って物の怪になってしまったようだよ? (5)

 でッ、なければ、少年に対して、意味不明な魔法を使用して、こんな醜い容姿にした美魔女のお姉さまへと詰め寄り──。


「おおっ! われ~、わしをこんな姿にしたのじゃけぇ~。一生掛けて身体で償ってもらおうか、おばさん~? 今日からわれは、わしの精玩具じゃけぇ~」


 と、斜め四十五度から、美魔女のお姉さま睨みながら怒号を放つところなのだが。何故かしら、他の女性に対しては起きない、鳥肌や身体中の痒みが、美魔女のお姉さまの場合は出てしまうから、そんな下品な言葉を少年は吐くことができないでいるのだよ。


 まあ、それにしても美魔女のお姉さまの傲慢な態度は、傍から見ているこちらも本当に凄いと思う。


 特に今の少年の容姿は、傍から誰が見ても、畏怖して恐れ慄くような姿なのに、美魔女のお姉さまは相変わらず、自身のくびれた腰に、両手を当て──上から目線で、少年へと解釈をたれるのだよ。


 まさにその御姿は、メガネでもかけていたならば、学校の妖艶な美人教師とでも言った感じなのだよ。


 それもさ、自身の生徒を放課後に呼び出し、『あなた~、今から個人授業をしてさしあげましよう~』と、生徒の耳元で甘い吐息交じりの言葉を囁くような官能的な女性に見えるのだよ。と、思うぐらいの妖艶な女性なのだよ。美魔女の妖精さまは……。

 まあ、傍から見ている者達の妄想心はどうでもいいから、飛んでいる話しを元に戻して本題に入る。


 とにかく物の怪にされた少年は、美魔女のおばさん……。


 おぉ~っと、失礼……。美魔女のお姉さまでしたね。まあ、美魔女の妖精さまのことが、とにかく気に入らないから、不満と不快感が募るのだよ。だから彼女の容姿を凝視する時も、思いっきり目を細めて紅玉の瞳で睨むのだが。彼女の容姿を何度睨んでも、先程まで彼自身が連れて歩いていた知人のJKの女子達よりも、年齢は幾分か……と、言うか。かなり歳を獲ってはいるように見える。


 それこそ少年の他界した母親が仮に生きていれば同じぐらいの年齢かも知れない? と、思わせる程の淑女なのだが。彼が先程連れて歩いていた知人のJKの女子達との容姿の方は、雲泥の差ほど違うのだよ。美魔女のお姉さまの美しさはね。


 今迄少年が見てきた液晶テレビや、銀幕を彩り飾る国内や海外の女優さま達やセレブさまと比べても見劣りをしないと言うか? そんな銀幕のスター達を凌駕し上回るほどの煌びやかで神々しい。この世の芸術品ではないかと思われるほど美しい淑女なのだよ。




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俺を女神さまが、魔王にしちゃったよ? かず斉入道 @kyukon

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