第8話 俺って物の怪になってしまったようだよ? (4)

 まあ、自身が化け物化した少年に対して、全く詫びる様子もない美魔女のお姉さまなのだが。少年の直せとの荒々し要望に対して。


「いいえ、いくらあなたが、わたしに怒号を放ちながら、元の姿に戻せと申しきても、無理な物は無理──!」


 と、逆に少年に対して怒号を放ってきたのだよ。


 でッ、怒号を放ち終えると、美魔女のお姉さまと言うか。精霊さまなのだろうか、彼女……? まあ、今は、そんなことはどうでもいい。


 それよりも美魔女のお姉さまは、また直ぐに、化け物化した少年へと。


「あなたのような浮気者には、それぐらいの容姿の方が大変にお似合いだと思いますから。わたくし自身は、あなたのその醜い容姿を全く治す気は御座いません! 一生そのままの容姿で暮らし、生活をしなさい、あなた! わかりましたか~?」


 まあ、相変わらず、少年が若いからと。まるで、年上女房気取りの物言いで、少年のことを諫めてきたのだよ。美魔女のお姉さまは……。


 う~ん、でもね、化け物にされた少年はと言うと、美魔女のお姉さまとは初対面になる訳だから、不満ばかりが募る。


 だから彼は、自身の心の内で。


(う~ん、腹立つなぁ~。目の前の女性……。妖精なのか? 物の怪なのか? 良くわからない種族のオバサンに『あなた~』と、妖艶で甘え声色を使用しながら呼ばれても嬉しくないし。彼女から呼ばれる筋合いもない。それどころか、鳥肌が立は、身体中に湿疹まで出てきて、痒くてたまらない……。それに俺の目の前にいる美魔女の女性とは初対面なはずなのだが。多分?)


 と、思いながら。彼自身も大変困惑をしている。それに、彼は美魔女のお姉さまに、『あなた~。あっ、はぁ~ん』と、甘い声色で呼ばれると鳥肌が立つのと。身体中に湿疹が出てきて痒くなるぐらい不快感に陥るらしい。彼自身も何故だかわからないけれど……。


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