あくまで称賛の意味です。グロテスク!悪趣味!思わず手を叩いてしまうほどに。人魚やクラゲなどというものは一般的には美しい可愛らしいものだと思います。ただそれを(おそらく)あえてこのような描写をするとはいい仕事をされてます。「醜悪」がガラスの向こう側に存在する。それはあちら側からも同じことなんですよね。こんな言葉使いをしてしまいましたが素敵な文学作品です。作者さまへ、すいません
うつくしい物語、とはお世辞に言えない、醜悪で、グロテクスなストーリー。でもその醜悪さを真っ向から書こうとしている(それでいてその気負いを感じない)書き手の姿勢には、なんだか、とっても憧れるものを感じてしまうのはわたしだけでしょうか。描き出された醜悪な心の在り方は、「あの子」のものであり、「私」のものであり、そして読み手である「わたし」のものであり。それに気付いてしまうと、もうこの作品は他人事として語れない、魅力、いや、魔力があるのです。
物語には、無限に面白さの方向性があるんだなぁって教えてくれる作品。すごい。すぐに読めるし、目に付いたら読んで欲しい。