この小説には有体の予想や想像を超えた結末が待っていた。読み終えた直後は、しばしボー然。そのあと、胸にじわじわと迫るものがある。小説は、こうでなくちゃいけません。最後の最後に読者をぶん投げてこその作家です。予想を見事に裏切って下さってありがとうございました。私も私というものの生を生きて、いつかは私というものの死を死ななければなりません。天が私を召される日まで。さよならは別れの言葉じゃなくて、再び会うまでの遠い約束。来生たかおの『夢の途中』の歌詞を彷彿とさせる良作でした。
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