言葉と、想いと、感情を表現することに真っ正面から挑んだ作品

正面から取り組むことというのは、簡単そうに見えて難しいことで、それを最後まで書ききるというのもまた、簡単ではない。
そういった、書くこと、生きることを真っ正面から捉えようとしている作品だと感じた。
しっかりと本筋を追いながらも、描かれている細部が、書き手だから、読み手だから理解できることが多く、そして小説を読んでいるからこそ素直に共感できるメッセージが真っ直ぐに表現されていた。
女性という性に対して、ややもすると冷たく感じられる視線が、作品の臭みとして、物語の中のリアリティとして、上手く機能していると思う。また主人公を男性とすることで、さらに女性が印象深くなっていて、上手い。
とても丁寧に物語とメインテーマ、サブテーマを描かれていて勉強になる。

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