最後までハラハラドキドキが止まらない、飽きない作品です。 まず、展開の緩急や設定の織り交ぜの加減が絶妙。気だるげな美少女とオカン系少年、登場人物たちの強さと弱さ、まったりと不穏、オカルトと科学、逃げた者と立ち向かう者。二つが交互に行き交い絡みあい、謎が謎を呼びながら物語が進んでいく。世界観の説明は過不足なく、テンポがよくて設定の濃厚さを感じさせないのもいい。ボーイ・ミーツ・ガールに陰謀に成長。これぞライトノベルです。 個人的には、一途な静音が可愛かったです。これはこれでわんこ……。
平賀真信ことシンシン君は、怪しいおじさんに無気力わんこ姫のお世話を任されちゃいました。一人で何でもできちゃう真信は、一人で何とかしようとするカミツキ姫に何を見るか。ほのぼのした日常に浮き沈みする裏社会の影。変革を迎えるその動乱に、影を持つ二人は翻弄される。影は蠢く。狗神を狙う。平賀を狙う。張り巡らされた伏線。知識に裏打ちされた伝奇系怪異譚。油断ならない世界をどうぞご賞味あれ。 人はたった一人では形作ることすらできない。 真信は真に信じられるものを見つけられるか。
家業に嫌気がさし、家を飛び出した真信は引っ越し先の街で恐ろしいものを目の当たりにする。そして、出会うは深月という愛らしい少女。真信は深月との出会いを皮切りに、人智の及ばぬ非科学の世界を知る。―――――――――――――伝奇小説好きとして太鼓判を推せるほど面白い。伝奇入門編としてオススメしていきたい。
自分を見失わない為に逃げてきた少年と、想いを遂げるために踏みとどまり、己を摩滅させていく少女が出会ってしまう。過去のしがらみや隠された思惑、様々な勢力の暗躍が複雑に絡み合い、二人の周囲は血と怨念に彩られていく。かわいらしいやり取りのある尊いシーンをアクセントに、ダークでシリアスなストーリーが展開していきます。むごい場面も多々ありながら、読後感は爽やかです。是非最後まで読み進めてみてください。特に伝奇モノが好きな方にはお勧めですね!
能天気な主人公と、ダウナー系の不思議美少女が織りなす、非・日常現代ドラマです。我々の知る一般常識とは少しずれた二人の掛け合いも魅力です。
キャラクターたちの軽妙なやりとりは私たちとおなじ等身大、そしておんぶにだっこな彼女の魅力は癒しといっても良いと思う!!私はこれを『無気力系ヒロイン』と名付けました。勝手に。この物語は現代が舞台。なのになぜか懐かしさを感じる景色は、時折、セピア色にさえ見える不思議な印象を与えます。和の雰囲気漂う独特の世界感。或いは月夜がよく似合うかもしれない。紡がれる謎はどこまで深いのか。もちろん一つ一つの物語をじっくりと読んで欲しい。あなたはきっと、最後に「あっ」と言わされる……!?
ある日、主人公は狗神憑きの使用人となることを余儀なくされます。でも、あんまり不幸そうに見えないのは、やっぱりメインヒロインでもある狗神憑きの少女の魅力のおかげでしょう。これから先、どんな物語が待っているのか、楽しみです