老眼鏡

「私はいつか年老いて、老眼になるでしょう。その時、アオイさんには老眼鏡になっていただきたく思います」

「ええ。勿論、かまいませんよ」

「しかし気になることがあります」

「なんでしょう」

「老眼鏡にチェンジしたら、前のサングラスみたいに外見や性格が変わってしまうのではないでしょうか」

「たぶん老婆になりますね」

「ううう、それは悩みどころですね。今の美しいままのあなたでいてほしい気持ちも僕には」

「カケルさん……! それでもいいんです。私はあなたと一緒に歳を取って、共に眠りにつきたい……」

「アオイさんが外見的に老婆になったところで、別に眼鏡に寿命あるわけじゃないですし、一緒には死ねないと思いますよ」

「ちょちょちょ、急に冷静になるのやめてくれませんか」

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眼鏡が擬人化したせいで、掛けられなくなった 近藤近道 @chikamichi

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