2)海村 雄吉

さて、もう一人の主人公 海村かいむら雄吉ゆうきちくんにももう一度お越し頂いてます。天国からやってくるのは少々疲れるらしいのですが、それでも喜んでインタビューを引き受けてくれました!


それではどんどんインタビューしていきましょう!


Q「お久しぶりですね。」

雄吉「はい! またお会いできて嬉しいです。」

Q「それは大変光栄です。相変わらず笑顔が爽やかで素晴らしいですね。天国での生活は、いかがなものですか?」

雄吉「ようやく落ち着けたような気がします。両親や姉、兄妹たちにも会えましたし。」

Q「そうでしたか。皆さんお元気で?」

雄吉「はい。お陰様で。」

Q「今回もまたお願いしますね。」

雄吉「はい、よろしくお願いします。」

Q「今回が初めての方もいらっしゃるかもしれませんので、もう一度簡単に自己紹介してもらえますか?」

雄吉「はい。海村雄吉と言います。自分は生前、大日本帝国陸軍、第六航空隊隷下、特別攻撃隊、第165振武隊しんぶたいの少尉でした。生まれは1923年の大正12年、5月10日で、22歳のとき、特別攻撃の出撃命令を拝命して、この身を捨てて御国の為に尽くす人生を全う致しました。」

Q「なにやらどこか自分自身のことを客観的な視点で話されているようにも感じるのですが?」

雄吉「はい。なんというか、最近感じつつあるんですが、僕の、海村雄吉としての人生は終わってしまったんだって認識が固まりつつあるっていうか。あの頃の記憶は全部もう、生前のこと。もう終わってしまった人生のことなんだって自覚できるようになった、とでも言いましょうか。」

Q「なるほど。なかなかに感慨深いことですね。そうやって、前の人生から脱皮して、次の生命へと向かって行くんでしょうかね?」

雄吉「よくはわかりませんけどね。次があるのかどうかも、まだわかりませんし。」

Q「そうですか。今日はその生前の頃の記憶を存分に思い出してもらって、いろいろお話下さいね。」

雄吉「はい! よろしくお願いします。」


Q「では、最初の質問です。海と山ならどちらが好きですか?」

雄吉「そうですね、どちらもそれぞれに良いところがあるんで選び難いですが、どちらかと言うと、海ですね。」

Q「おぉ。その理由は?」

雄吉「港町横浜に生まれたからです。横浜港に近い所で育ったためか、よく客船とかの汽笛が聞こえてきて、そんな自分の住んでる町が小さい頃から好きだったんです。」

Q「なるほど。故郷の風景と言いましょうか、海、つまるところ船が生活のすぐ近くにあったから、馴染み深いものとして海があった訳ですね。」

雄吉「はい。家の近くの丘に上がると海が見えますしね。全然潮風とかは感じないんですが、それでも海は身近な存在だったような気がします。だから、僕は海の方が好きですね。」

Q「よくわかりました。ちなみに、雄大くんはどっちを選んだと思いますか?」

雄吉「雄大ですか? う~んと、もしかして、山ですか?」

Q「何故そう思いましたか?」

雄吉「なんとなくですよ。なんとなく、雄大は山かもって思って。名前も“雄大”ですし、山が合いそうな気がします。」

Q「まさにその通りでしたよ!」

雄吉「え! そうなんですか?!」

Q「彼も自分の名前が“雄大”なことも、山を好きになれた理由の一つだったと思っているようでしたよ。」

雄吉「そうなんだ。でも、山も山で良いところいっぱいありますからね。僕もの景色を眺めると、心が洗われるような気がして感動しますね。」

Q「雄大だけに?」

雄吉「!あっ・・・、いや。いえ、まぁ、はい。」



Q「それでは次の質問です。こんなことを天国にいらっしゃる方に聞くのも難なのですが、今欲しいモノはありますか?」

雄吉「欲しいものですか・・・。今はもう、特に望む物なんてありませんよ。でも、生前には、それなりに欲しいと思って諦めた物がたくさんありましたね。」

Q「例えばそれは、どういった物だったんですか?」

雄吉「一つは、和歌集ですね。自分の万葉集や古今集とか、他にも優れた歌集が手元にあったらいつでも好きな時に読むことができたのにって、思っていました。」

Q「そうだったんですね。今では比較的簡単に購入することが可能になりました。印刷技術が向上していますし、手のひらサイズの文庫本になって出版されていたりしますから、より身近に読むことも可能です。」

雄吉「羨ましいですよ、本当に。70年後の日本の暮らしは。そういえば、70年後の日本を少し体験させてもらったから欲しいと思った物がありましたね。」

Q「それは何ですか?」

雄吉「パソコンという機械です。」

Q「あぁ。」

雄吉「少しだけ使わせてもらったんですけど、あれは本当にすごい道具ですね。欲しい情報がすぐに探せますし、図書館に行かなくても万葉集の歌が解説付きで閲覧できる。こんな便利なものがあったら、もっともっといろんなことを学んだり知ったり見たり聞いたりすることが出来る。これは欲しいなと、素直に思いましたよ。」

Q「パソコンが普及したのは本当にここ最近のことなのですが、一気に広がった印象です。それはつまり、万人が便利で使いやすいツールだったということの表れでしょう。おかげで、今では世界中の人々と同時にやり取りすることも、情報を共有することもできるようになりました。」

雄吉「信じられないですね。そんな時代がやってくるなんて。僕も、次生きることができるなら、そういう時代に生まれてみたいですね。世界中の人と交流してみたり、知りたいことや見てみたいことをすぐに調べて、たくさん勉強してみたいです。」

Q「きっと、雄吉くんの溢れんばかりの知的好奇心も満たされることでしょうね。いや、さらに磨きがかかるかもしれませんね。」

雄吉「どうでしょうね。(笑)」


Q「ちなみに、雄吉くんの趣味や特技は何なのか、この際はっきりと教えてもらえますか?」

雄吉「趣味は、やっぱり和歌ですね。これは大学生になる頃に得たものなんですけど、大学時代は夜な夜な友達と和歌を読み合って情景とか表現力について議論したり、時には吟じ合ったりして遊んでいました。表現一つとっても、どうしてこの表現にしたのか、同じ意味でもこの表現じゃないと表せない意図があるのかと、とても奥深いことばかりで、本当に面白いですよ。」

Q「そうですね。私も短歌や俳句はやりませんが、やはり文字を書くことを趣味にしている身ですから、このようなときのこの人物の気持ちを具体的に一言で表現するとしたら、どんな単語を使ったらよいか、よく迷いますね。だからとても流れの良い文が出来たときにはすっと入ってくると言うか、腹に収まるような感じがします。」

雄吉「わかります。自分で歌を詠んでみると、満足感と言うか、充足感みたいなものが傑作だったものと駄作だったものの差がはっきりと出ますから。傑作だったもののときは何だろう、真っ直ぐと自分の表現したいことがバシッと出てきた!みたいな感じですね。」

Q「自慢の句は、どれくらいあるんですか?」

雄吉「恥ずかしながら、ほとんどないです。僕はあまり歌を詠むのは上手くないので、他の友達にすごく上手い奴が居て、そいつのを聞いてしまうと、本当に僕には才能が無いんだなって、ちょっと悲しくなりますよ。でも、読む方はとても好きなので、趣味には変わりないですけどね。」

Q「なるほど。」


Q「さて、もしもどんな願いでも一つだけ叶うとしたら、何を願いますか?」

雄吉「あぁ、それは・・・。」

Q「どうしました? 頭を抱えられてしまって。」

雄吉「いや、ちょっと、いろんな気持ちが出てきてしまって。そうですね、一つだけだとしたら、次の人生を歩ませて欲しいことですね。」

Q「次の人生?」

雄吉「海村雄吉は、昭和20年の6月6日に死んでしまった。これはもうどうにも変えられることじゃないと思います。でも、だから、僕の魂が再び日本へ還って、戦争の無くなった時代の日本人の子として、新しい人生を歩みたいんです。もし出来ることなら、あの時から70年とか80年経った、平和で技術力も経済力も世界で戦っていけるほど力を付けた時代の日本人の子として生きてみたい。」

Q「そうですね。それが、雄吉くんがずっと心から願っていたことでもあったのかもしれませんね。」

雄吉「2015年でしたっけ? この時代は。」

Q「そうです。」

雄吉「そしたら、2020年とか、2025年とか、それくらいになった日本で、改めて生きていきたいです。生まれ変わってみたいです。」

Q「その願いが現実に叶うことを、一緒に祈りたいと思いますよ。」

雄吉「ありがとうございます。」


Q「ここで趣を変えた質問をしていきます。好きな動物を3つあげて下さい。それから、その動物の特徴を3つずつあげて下さい。」

雄吉「好きな動物ですか。そうですね、人懐っこい犬。大空を勇ましく飛ぶ鷹。勇猛な虎。ですかね。」

Q「全体的に、強そうなイメージを持った動物がお好みのようですね。」

雄吉「そうかもしれませんね。犬は、以前飼ってた犬が本当に可愛かったんで、好きな動物の一つに入れてしまいましたけど。他の二つは、僕が小さい頃から憧れていた動物でもありました。」

Q「憧れ?」

雄吉「僕は子どもの頃、けっこう身体が弱かったんで。よく床に臥せってしまうことも多くて、病床の中でよく、自分も強くなりたい、勇猛果敢に獲物を追い掛けて食らいつく虎や、大空をずっと飛び回れるほどの強靭な肉体を持った鷹のようになりたいと、そう思うことがあったんですよ。」

Q「そうだったんですね。」

雄吉「だから、全体的に強そうな動物が多くいたのかもしれませんね。」

Q「ですが、今の雄吉くんは鷹のように大空を舞って、虎のように勇猛果敢に戦った立派な男性になれたと思いますよ。」

雄吉「そうだと良いんですが。」

Q「戦時中に飛行兵になって、そして特攻隊として敵艦隊を爆破させたんですから。その勇敢な戦いぶりには、現代の日本人からしても天晴れです。」

雄吉「ありがとうございます。特攻したことを褒められるなんて、生前は全く考えたりしませんでしたよ。」

Q「それはそうでしょう。まさか70年後の日本で9日間過ごすことになるなんて、誰も想像できませんからね。」

雄吉「全くですよ。(笑)」


Q「これも大変質問しにくい内容なのですが、今後やってみたいことはありますか?」

雄吉「(笑)」

Q「もう次の人生で挑戦してみたいこととかありましたら、教えてください。」

雄吉「そうですね。まだ次の人生が始まった訳じゃないんで、全然何したいか考えてないですけど。そうですね、やっぱり、パソコンを使っていろんな知りたいことを学ぼうかと思います。生前にやりきれなかった学問を、次の人生ではもっと続けて励みたいと思いますよ。」

Q「本当に雄吉くんは知的好奇心が旺盛ですね。勉学意欲が本当に素晴らしい。」

雄吉「それほどでもありませんよ。」

Q「次の人生では、是非とも思う存分勉学に励んで、日本のためにその知識を大いに役立ててくれればと思います。」

雄吉「はい! 頑張ります!」



Q「次はお悩み相談です。これから話す話題を雄吉くんに相談されたとき、どんな返事をするのか、考えてみてください。」

雄吉「はい。どんな悩みですか?」

Q「友達の恋人を好きになってしまいましたが、どうしたらいいですか?」

雄吉「友達の恋人を、好きに・・・?」

Q「はい。そういうお友達が居たら、なんと相談に乗ってあげますか?」

雄吉「まず良いですか?」

Q「何でしょうか?」

雄吉「なんとふしだらなことを。それも友達の恋人に、不埒千万ですね。」

Q「まぁ、確かにそうですが。だからこそ、きっとお悩みになられたんでしょう。」

雄吉「許しがたいことです。今すぐ心を改めて出直して来いと、そう言いたいです。友達であろうとなかろうと、既に相手がいる人に恋心を抱いてしまうのは不逞な輩もいいところです。すぐに諦めて自分の気持ちに蓋をすべきでしょう。それでもというのなら、陰で見守るくらいに控えることですね。もちろん、それはそれで不幸なことかとは思いますけど。」

Q「なかなか手厳しいお答えですね。」

雄吉「ならぬことはならぬものです。」

Q「まぁ、その通りですね。」


Q「次は大喜利に挑戦してみてください。」

雄吉「大喜利?」

Q「例えば、家の前で叫び声が聞こえました。何で叫んだの? というお題が出されるとします。」

雄吉「そのを考える訳ですね。面白おかしく。」

Q「そういうことです。だから例えば、警官がぞろぞろと令状片手に詰め掛けていたから、とか。」

雄吉「なかなか物々しい解答ですね。」

Q「例えばの話です。それじゃお題を出しますよ。」

雄吉「はい。」

Q「あなたの家に手紙が届きましたが、そこには意外なことが書かれていました。果たしてその内容とは?」

雄吉「意外なこと・・・。」

Q「どうでしょう?」

雄吉「自分の宛名以外真っ白。」

Q「あぁ、なるほど。手紙受け取っても何も書いてないなんてことは想定しませんよね。だいたい、何か用事があるから手紙を出す訳で。」

雄吉「それもそうなんですけど、むしろ宛先住所も無いのによく手紙が届いたなって。」

Q「あぁ、確かに。」

雄吉「普通に考えたら届くはずのない手紙だし、そもそも何も要件書かれていない、宛名だけの手紙を手紙と言っていいのかもわからないですけど、そんなの受け取ったらまず不審に思うでしょうから。」

Q「なるほど。そういう観点もあるわけですね。」


Q「それじゃあ、次に参りましょう。生前、あなたが恋人にしたいと思った異性の条件を5つ挙げてみてください。」

雄吉「え! 異性の条件・・・。」

Q「どうですか? 恋愛というほどの経験は無いと語られていましたけど。それでも好みの子の条件はあるのではなかったですか?」

雄吉「・・・・・」

Q「おやおや、顔が真っ赤になってしまいましたね。」

雄吉「・・・ちょっと、考えているんです。あんまり、そういうこと、考えたことが無かったんで。」

Q「例えばですよ、もしお嫁に貰うのだとしたら、どういう女性が良いですか? 奥さんにするならどういうことが出来る人がいいか、そんなことを考えてみれば良いのではないでしょうか?」

雄吉「あぁ、そういうことなら、ありますね。」

Q「どんな感じの方が好ましいですか?」

雄吉「そうですね。やっぱり、質実剛健な方が良いですね。朝もしっかりと起きて、朝ごはんの支度をして、掃除、洗濯をこなして家をしっかりと主が帰るまで守ってくれて、仕事で疲れた主を温かく迎えて癒してくれる、そんな人がいいですね。」

Q「なるほど。なんというか、雄吉くんも、やはり戦前戦後直後の男性なんですね。」

雄吉「??何か僕、おかしなこと言ってましたか?」

Q「いや、何も可笑しなことではないと思いますよ。実際、そういう女性が多くの男性たちを支えてきたのが、昭和時代だったように思います。」

雄吉「もしかして、この時代って、そういう感じの女性って、あまりいないんですか?」

Q「全くいない訳ではないと思いますけど、少数派かとは思いますね。今は女性も家庭を持ちながら社会で活躍できる時代です。結婚して子どもも居ても仕事を続けるなんてことは当たり前に見られることですし、家事を完全に担うのが女性、働きに出て稼ぐのが男性という構図は、だいぶ薄れてきているような感じがします。」

雄吉「そうなのかぁ。てっきり、僕にとっては当たり前のようなことを言ったつもりだったんだけどなぁ。70年も経つと、結婚生活もだいぶ様子が変わってきてしまうものなんですね。」

Q「そうだと思いますよ。」


Q「次の質問です。過去の世界と未来の世界、行けるとしたらどちらに行きたいですか? 理由と過去か未来の世界で何をしたいのかも教えてください。」

雄吉「もちろん、未来です。未来の日本、戦争の無くなった、平和な日本を見てみたい。そう生前思うことが何度もありました。」

Q「そして、実際に生と死の狭間に置かれたとき、未来の日本へやってきた。」

雄吉「はい。平和になった日本で過ごすことができた。70年後の人たちと交流して、僕の知らない新しい遊びや競技スポーツも体験させてもらって、やりたいこともたくさんできました。本当に、僕の人生の最後に充実した日々を送ることができたと、強く感じています。」


Q「さて、目の前に超巨大なお城があるとします。その城の窓の数はいくつでしょうか?」

雄吉「急にまたよくわからない質問ですね?」

Q「どうやら心理テストのようです。」

雄吉「心理てすと?」

Q「いくつか意味深長な質問に答えて、解答された内容の傾向を見ることでその人物がどんな心境なのか、どのような性格なのか推測する手法のことです。」

雄吉「そんなことができるんですね。」

Q「だからきっと、巨大なお城の窓の数の答え方で、なにか雄吉くんの心境がわかるんだと思いますよ。」

雄吉「そしたら、どうしよう。窓の数、巨大な城・・・。100枚くらいですか。」

Q「100枚の窓があると。」

雄吉「はい。それで、僕の何がわかるって言うんですか?」

Q「今は私もわかりません。答えが返ってきたら、そのときご連絡致します。」

雄吉「わかりました・・・。」


Q「もう一問あります。明日巨大隕石が空から降ってきて、世界が滅びるとします。

さて、何をしますか?」

雄吉「また明日に、終わるんですね。」

Q「あ! これは、ちょっと似ているかもしれませんね。あの時に。」

雄吉「思う存分仲間と遊ぶ。思い残すことの無いように、思い切り遊びます。」

Q「なるほど。」

雄吉「最後は宴会しますよ。もう飲めなくなるまで。」

Q「最後の最後に、楽しそうですね。」

雄吉「はい! でも・・・。いや、これはいいです。」

Q「そうですか?」

雄吉「心理テストとかいうものの答えには相応しくないと思うんで。もし気になられるのであれば、本編(https://kakuyomu.jp/works/1177354054883772821)をお読み頂ければお分かり下さると思いますし。」

Q「わかりました。」


Q「さて、ここで心理テストの答え合わせをしましょうか。」

雄吉「はい、お願いします。」

Q「まず心理テストになってた質問ですが、一つは好きな動物を3つ具体的に答えて下さいというやつと、二つ目が巨大な城の窓の数を答えるものが該当します。」

雄吉「その二つがそうだったんですか。何て答えたっけ。」

Q「それじゃ一つずつ行きましょう。まず動物の方ですが、3つお答え頂いたもので1番目の動物は“本来の自分”、2番目の動物は“人から思われている自分”、3番目の動物が“なりたい自分”を表しています。雄吉くんの答えは、一番目が人懐っこい犬、二番目が大空を勇ましく飛ぶ鷹、三番目が勇猛な虎でしたね。」

雄吉「うん、人懐っこい犬っていうのは、当たってるかも。でも、周りから大空を勇ましく飛ぶ鷹のように思われてたりするのかなって思いますけど。」

Q「いや、今の雄吉くんなら、みんなそのように思うと思いますよ。勇敢な特攻隊員だった訳ですから。正真正銘、若鷹になられた。」

雄吉「はい、まぁ」

Q「それに、勇猛な虎になりたいと幼い頃から感じていたというのも、大当たりですね。」

雄吉「そうですね! まさかそういう事を意図する質問だったなんて。何も考えずに答えてしまったんですが、すごいですね。」

Q「これが心理テストの力ですよ。」

雄吉「なんかすごいですけど、怖いですね。心の中が見透かされそう。」

Q「確かに、そうですね。」


Q「二つ目の質問の、目の前にある超巨大なお城の窓の数をお答え頂いたものですが、あの窓の数はナルシストの度合を表していて、窓の数が多ければ多いほどナルシストということです。」

雄吉「ナルシストの度合・・・。」

Q「雄吉くんは先ほど、窓の数は100枚とお答え頂きましたから、多くもなく少なくもなく、といったところでしょうか。」

雄吉「そうなのかぁ。これも、当たってるんですかね?」

Q「雄吉くんをよく表してる結果だと、改めて思いますよ。雄吉くんは謙虚だし、ナルシストっぽいところは、私の知る限りではほとんど無いように思いますし。」

雄吉「そうですか。やっぱり、心理テストってすごいけど怖いな。」


Q「長くなりましたが、これで今回の質問は終了です。それでは最後に、このインタビューを読んでいる人にメッセージをどうぞ。」

雄吉「はい。今回も最後までお読み下さってありがとうございました。もうあとどれくらいこの幽霊みたいな状態でいられるのかわかりませんけど、もしまたお呼び頂けるのであれば喜んでお伺いいたします。もし本編をお読み頂けるなら、僕たち特攻隊員たちがどんな思いで自分の命を御国の為に捧げようとしていたのか、そういうことが伝わってくれたら嬉しいです。」

Q「今回も天国からわざわざご足労頂きまして、ありがとうございました。」

雄吉「こちらこそ、どうもありがとうございました。皆様に、よろしくお伝え下さい。」

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自主企画参加作品 最後の夏にもう一度インタビュー 河邑 遊市 @K-Yuichi

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