「あきらめるな。あきらめなくていい」
挫けそうになる心を熱く励ましてくれるストーリーです。
茨城県の御当地ヒーロー、時空戦士イバライガーの華麗なショーに魅せられて、スタッフとして働きはじめた龍生は、次第にイバライガーその人に惹かれてゆきます。
「きれい事を愚直に実行させる。理想に向かって真っ直ぐに駆け抜ける」そんなイバライガーの生き方が多くの人を支え励まし変えてゆくのを見て、自分もイバライガーを助ける、もう一人のヒーローになりたいと思うのです。
爽やかな感涙必至の青春小説です。
コミカルな文章のあちこちに挟み込まれるヒーローの熱いセリフが泣かせます。
そして頼りない龍生叔父さんを保護者のように見守る、姪の中学生の莉子ちゃんの可愛さは特筆ものです。
(注)イバライガーの中に人はいません。
だって、彼は魂を持ったヒーローなんだから。
子供のころからウルトラマン系を好み、戦隊ものには感じていた違和感。それが「こっぱずかしい」という感情だと、大人になってから気づいた。
ウルトラマンは遠い宇宙から来たのだから、ひょっとしたら本当にいるかもしれない。でも、戦隊もののヒーローはいるはずがない。そういう考えがぼんやりあった気がする。
ヒーローショーの嘘くささ(特に、ウルトラマン系はサイズの問題もある!)も嫌いだった。
なのに今、イバライガーにたまらなく会いたい! 目の前でショーを観たい!
西日本に生まれ育った者としては、茨城はあまりに縁遠いのに「現地で会わなきゃ意味がない」と思ってしまうほどに、イバライガーに会いたい。
そう、やっぱり他のヒーローには興味を持てないんだな。
茨城にいて、茨城の人たちと共にあるイバライガーに、会いたいんだ。
「基地で会いましょう」からはじまる、イバライガーの人柄が本当に素敵で、魅力的でした。
ヒーローは、ある日突然、絶対的な力を手に入れて現れるものではなく、人と人のつながりの中で生まれてくるものだからこそ、こんなにも心に響くのだと、胸が熱くなりました。
しかし、現実世界でのヒーロー活動は、優しいものではありません。
それでも、イバライガーがヒーローであり続けるために、勇気を出した主人公の姿にも感動しました。
イバライガーのことは全く知りませんでしたが、殺伐とした現代社会に必要な人だと思います。
本物のヒーローがいる茨城県が、羨ましいです。
何かをかえてみたい。
ほんのすこしの勇気が欲しいと思う人は、ぜひ読んでみてください。
本物のヒーロー、時空戦士イバライガーがあなたにも手を差し伸べてくれると思います。
仕事も無し、恋人も無し、毎日を無気力に暮らす龍生が、姪っ子に連れられて見に行ったショーは、「時空戦士イバライガー」。
かつてはヒーローに憧れていたものの、現実を知り、冷めた気持ちになっていた龍生の心に、イバライガーが火をつけ、龍生はイバライガーの基地で働くようになる。
けれど、基地で働く毎日は、楽しいことばかりではなくて……。
戸惑い、悩み、それでも前を向いて行こうとする龍生の姿が丁寧に書かれた良作です。
ですが、この作品で何より素晴らしいのは、作者様がイバライガーを好きで、イバライガーの運営団体「茨城元気計画」に「小説の題材にしたいのですが」と取材に行かれた行動力と、それに基づくリアリティだと思います。
取材の成果でしょう、関係者でしか書けないような、ヒーローの舞台裏。
ヒーローを支えるスタッフの熱い思い。
最後まで読まれた時、きっと胸に熱いものがこみあげてくると思います。
そして、タイトルを叫びたくなるのです。
「ヒーローに中の人はいません!」
ぜひ、ご一読を!
茨城県のローカルヒーロー、イバライガーに魅せられた、とある青年視点のお話です。
各地にご当地ヒーローは数ありますが、イバライガーは自治体などが企画したヒーローではないんだそうです。とある個人が、突然ヒーローになろうと思い立ち、勝手にヒーロー活動を始め、それが周りの皆を動かしてご当地ヒーローとして認知されるに至ったの事。控えめに言ってクレイジーです。
このお話は、そんなイバライガーを中心として、ヒーロー活動を支える仲間達の熱い活動を描いています。凄いのです。なんの根拠もなく茨城県民の支えになる覚悟というか、心意気に痺れます。
皆様も、そんな熱いイバライガーの心意気に、是非触れてみて下さい。
趣味なし、職なし、恋人なし、車なし、元気なし。
絶賛失業中の「僕」は姪っ子と甥っ子に連れられ、
とあるご当地ヒーローショーの会場にやって来た。
茨城県民ならば必ず目にしたことのある彼の名は、
「時空戦士イバライガー」
地球の人々と環境を守る、未来のヒューマノイド。
正義のヒーローへの憧れなんて忘れていたはずだ。
とっくに「僕」は、冷めた大人になっていたのに。
なぜだろう、イバライガーに惹き付けられたのだ。
居ても立ってもいられず彼らの基地を訪れた日から、
イバライガーの背中を追う「僕」の物語は動き出す。
等身大の「僕」の目を通して彼らの魅力が語られる。
イバライガーの活動を支えるのは県や市ではない。
「茨城元気計画」という、有志個人による団体だ。
ボトムアップの地域振興だが、ファン層は幅広い。
イバライガーという存在、前から気になっていた。
この機にサイトや動画、ニュース記事を拝見した。
日頃からこんなヒーローが身近にいるの羨ましい!
イバライガーとその仲間たちへの愛に溢れた本作、
最後まで楽しみに読ませていただこうと思います。
そしていつか必ず本物のイバライガーを観に行く!