うるさい雨
十一
雨音
そう。
偶然。
わかってる。
なのにどこかで思ってしまう。
これはもしかして運命なんじゃないかって。
スクールバッグの奥底に仕舞いこんだ折り畳みの傘を出すためにはとにかくどこかに避難しなくちゃならなくって公園の
逃げ出したいって思いながらもそれができない。
なにをするわけでもなくただ無言で時間だけが過ぎていく。
ほんとなにやってんだろバカみたいじゃんわたし。
「あのさ」ふいに耳に届く声。
先輩がこっちを見ていた。
もうスマホも触ってない。
それからわたしたちは話す。
どうってことない会話。
いつもみたいに。
ただしゃべる。
それが楽しい。
嬉しい。
幸せ。
そして日が傾いて来たころ、わたしたちは二人して立ち上がる。
まだまだ話は終わらなくて。
二人並んで歩く。
もう傘は必要ない。
うるさい雨 十一 @prprprp
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