荒野と戦車。悪意に塗れた世界。こんなファンタジー作品があってもいい

荒れ果てた世界をミュータントと呼ばれる化け物が闊歩し、ハンターを名乗る人々が銃器と戦車で戦う世界。
「荒野と戦車」のキーワードで有名なRPGゲームの悪意を100倍にしたような作品です。
ヒロインが四肢を失い戦車と一体化する少女という時点で激しく読者を選びます。
他にも全体的にセンシティブな描写が多く、それがダメな人には受け付けないでしょう。
しかし刺さる人間には非常に刺さる。

登場人物も癖のある人間ばかりで、仲良くしていても状況次第で敵対することも辞さない殺伐とした世界の中で、主人公とヒロインだけは絶対にお互いを裏切ることはないという信頼があるのも良い。

アクが非常に強い作品ですが、小説としての完成度はとても高い。
読者をあっという間にひきつけ虜にする魅力のある作品なので、まずは一読してみることを勧めます。

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