終わりに
終わりに
せっかくなので、最後に思ったことをつらつらと書きます。
僕がそうであったように、“いびき”患者の多くは男性ですが、なかには女性の患者もいるそうです。
実際、僕が行った病院にも、受診している女性が何人かいました。
また、自分が“いびき”をかかなくても、家族の“いびき”に悩んでいる人は多いそうです。
思い返してみれば、僕の父も“いびき”がめちゃくちゃデカかったです。
子供の頃、父親より早く寝ないと“いびき”がうるさくて寝られなくなるほど酷いものでした。
(だから小学生の頃から別の部屋で寝るようにしていました。)
でも、いつのまにか、自分が迷惑をかける側になっていたなんて、考えもしませんでした。
学生のころ、部活の合宿なんかでみんなが寝不足気味だったのも、実は僕のせいだったのかもしれません。
誰も文句を言わずにいてくれたことが、ありがたく、そして申し訳なく思います。
自分が大猿になることを初めて知った孫悟空は、きっとこんな気持ちだったのでしょう。
だから男女問わず、自他も問わず、もしあなたが“いびき”に悩んでいるのなら。
手術が選択肢としてあることを知る機会の一つになれれば、このエッセイを書いた身としては望外の喜びです。
(もちろん、ちゃんと専門の病院で診てもらい、リスクとメリットを知った上で判断してくださいね。)
口の奥に佇む“のどちんこ”。
それがあったりなかったりするだけで、人間の身体がここまで変わるなんて、考えもしませんでした。
人体というのは、ものすごく絶妙なバランスの上に成り立っていて。
だから、人によって違いがあって当然で。
他人にとって当たり前のことでも、自分にとって当たり前ではない。
自分にとって当たり前のことでも、他人にとって当たり前ではない。
そんな当たり前のことを。
今はもうここには無い“のどちんこ”が最後に教えてくれました。
なんて、綺麗にまとまったところで。
おしまい。
いびきがヒドいので、のどちんこを切ることにした話 穂実田 凪 @nagi-homita
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