「ドラゴン」は人間が生み出したものだから。

 心優しいドラゴンと、少年の物語。
 ここに登場するドラゴンは、その優しさのために引きこもりである。そんなドラゴンを、人間はかく語る。すなわち「火を吐く」し、「巨大」であり、「不死身である」など。そしてドラゴンを倒そうという者を「勇者」と呼ぶ。様々に人間の間で語られるドラゴンの姿は、邪悪であり、悪者であり、怪物である。
 しかし、本当のドラゴンは人間の少年に頼んで、体に生えてしまった草花を植え変えてあげるほど、心優しい。それほど巨大ではないし、火も吐かない。つまり、ドラゴンのイメージは、人間の「語り」によって形成され、尾ひれがついた間違いなのだ。
 そんな中、少年の村が襲われた。少年に助けを求められたドラゴンは、どうなる? 何しろ、人間が持つイメージとはかけ離れた存在なのだ。果たして、ドラゴンは少年の願いを叶えることが出来るだろうか?
 是非、ご一読ください。
 

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