テクノロジーに思いを馳せるちょっとした視点。

 最近『天空の地図』(アン・ルーニー著)という本を読みました。太古から現代までの人類の絵画や星図、スペクトルやレーザーなど、様々な方法で夜空の星々を捉えたナショナルジオグラフィック出版のビジュアルブックです。

 その本を読んでひとつ気づいたのは、一個の対象にもさまざまな側面があり、全てをひとりで考えるのは難しいな、ということでした。

 ひるがえって『ミネルバの梟は充電後に飛び立つ』はそんな「ひとりで考えるのは難しいな」と思うテクノロジーに対してのちょっとした面白い見方や考え方を教えてくれます。普段まったく想像していなかった目から鱗な見方もあり、SF好きでなくとも、何となくニュースなどで見聞きしたキーワードでピンと来た方にもオススメです。この作品を読むとパソコンやスマートフォンなどの身近なテクノロジーに触れる時間も、以前より少し楽しくなるかもしれません。

 個人的には本棚に関するコラムをほくそ笑みながら読みました。ジャンルもカテゴリもほぼ不規則にバラバラに蔵書している私ですが、コラムを読んでからふと本棚を見たら『芸術と科学のあいだ』(福岡伸一著)の奥に『虚数』(スタニスワフ・レム著)があったので思わず苦笑いしました。

 今後の更新も楽しみにしています。

その他のおすすめレビュー

籠り虚院蝉さんの他のおすすめレビュー16