そうして顧問と新たな部員が増えたヒーロー同好会……またの名をジャスティスファイブ。

 ついにファイブじゃなくなっちゃったけど、そこには敢えて誰もツッコミを入れない。


 そうして俺達は今日もゴミ拾いをしている。


「人数が増えると作業効率がいいね♪」

「確かに、それは助かるな」


……約一名、相変わらず働かないけど。


「失礼ですね、僕は現場の指揮という仕事をしているんですよ?」


 あー、そうかい。


「おや、反応が薄い」


 そろそろツッコミ疲れたんだよ俺は。


「ふははははは!……(中略)ブレイブV、参っ上ぉぉぉ!!」


 そこに現れたいつものブレイブV。

 ちなみに『(中略)』は口に出して言っている。


「へーぇ、あの人があっちの六人目スかぁ~なんかマジで怖そうな人ッスねぇ~」

「あら、顧問の先生は随分可愛らしいのね♪」


 チャラ男ゴールドとお色気ホワイトも来てるし。


「せ、先生は俺のっ……」

「はいはいそれはもういいから」


 それやってると話進められなくなるし、な?


 あっちでは黄瀬が山吹に追い回され、桜庭が桃井と恋バナに花を咲かせている。


「お前ら……活動の邪魔をするなよ……」

「そうだぞ、どうせならどっちがより綺麗に出来るか勝負だ朱堂!」


 え、それダメ、嫌な予感しかしない。


「のぉぞむ所だ赤井ィ!」

「いくぞ、赤井流掃除殺法……!!」

「流派、朱堂清掃奥義ッ!!」


 やめろ、お前らが張り切ると余計散らかるんだよ!


「あー……散らかしちまってまぁ……」

「お前らいつもこんなんなのか?」


 山吹が肩に引っついたままげっそりした黄瀬に銀が問いかける。


「……まぁ、割とな」

「ふーん……いいな、楽しそうで」


 あれ以来二人は仲良くなったみたいだ。

 可愛いモノ好き仲間で話が合うんだろうか、と聞いたら黄瀬の好きなのはぬいぐるみや動物で銀とは微妙に何か違うらしい。


「退屈はしない、かな。それは否定しないさ」

「掃除中にふざけるのは感心しないけどな」


 黒崎先生も微笑ましく見守りながら頷いた。


「いいなぁ、若いって……俺も学生の頃が懐かしいよ」

「あれェ~このヒト先生なんスかぁ?」


 うおっ、いつの間に。


 つか、近くに来ると香水のニオイきっつ!!


「か、金城……だっけ? そういやなんでブレイブVに入ったんだ?」


 こっちもボランティア活動のイメージからはだいぶ程遠い……いや、人を外見で判断しちゃいけないけど。


「だって可愛い娘いるし顧問の先生ちょお美人じゃないスかぁ~そりゃ入るっきゃないっしょ☆」

「え」


……それだけ?


「それで入ってちゃんと活動してるなら、結構真面目なのか……な?」

「よ……よくわからん……」


 ともかく、こうしてまた俺達の活動は賑やかになった。

 これからもコイツらに振り回されるんだろうな、俺……


「一人じゃありませんよ青野さん、黄瀬さんもいますから☆」

「「お前が言うな!」」



―おしまい―

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学園戦隊ジャスティスファイブ! 万十朗 @manjurou0405

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