024 先輩!?

朝、エリナさんと待ち合わせしている神保町の駅になぜかエリナさんと見知らぬ男がいた。

「誰だろあの人?」

エリナさんの方も気がついたのか、僕に手を振って来た。

「おはよう、直次くん。さっそくだけど、今日から移動してもらうジョッ、痛いじゃない 」

どうやら隣の男の人がエリナさんのあしを踏んだようだが、ほんとにあの人誰だろ?

「おい、お前が直次か?」

「は、はい。そうですけどー」

いきなり「おい」から始まるのはどうかと思うけど、とりあえず、落ち着いた方がいいみたいだなー。なんか、すごい対抗心をもたれてる気がする。

「こんな奴に俺は負けてるのか……」

ちょっと待てい。僕のどこをどう見たらそんな言葉が出てくるの?ていうか、ってどういうこと?

「なあ、お前本当に高1なのか?」

「は、はい?」

「ハア……、こんな奴に負けるとは」

そう言って落ち込んだと思ったら、

「まさか同じ中学の後輩で、結構バトったやつに負けるとは思はなかった」

と言っていた。ん?で、結構?え、まさか、

「岡野先輩!?」

え、嘘だろ。メガネかけてて、あんなに細くて、あんなに肌が白かった、あの岡野先輩?

「やっと気がついたか、直次」

そういうと、サングラスを取り始めた。あ、岡野先輩だ。

「肌焼けましたね。後、結構体格がしっかりしましたね」

「なんだ、その外見を並べただけの感想は」

だって、中学の時からかなり変わってるんだもーん。仕方ないじゃん。

「だって、外見がかなり変わってるんですもん」

「え、そうなの、岡野くんの中学時代ってどんなのか気になる〜」

「えーっとですねー。もっと細くて、肌白くていろくて、ミェ」

「それ以上言うな。大体お前な、人が外見を変えるときは、その姿に何かしらの不満を抱えてるからなんどよ。俺は、この姿が気に入ってるわけ。わかるか?」

なんかよくわかんないけど、とりあえず、「わかった」と言っておく方が無難だと思うけど、

「僕はあの頃の先輩の技術の方が気になっていたので、気にしてませんでしたよ。後、外見はどうでもいいと思いますよ?」

「いいよな。何もせずともイケメンに生まれて来た人は」

となんかいじけてしまった。すると、なんか時計をチラチラ見ていたエリナさんが、

「先輩後輩の感動的な再会のさなかごめんね。そろそろ行かないと遅刻するから車に乗ってね」

と言った。自分の時計を見ると、もう、10分も過ぎていた。

「先輩、やばいです。本当に遅刻しますよ」

すると、時計を確認していたのか、先輩も、

「やばいな。よし、急げ」

と言って、車に飛び乗った。

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