幕間
「ん〜」
昨日はうちに帰ってからも結構感傷的になってたけど、今日から特別任務室に移ることになったのだから、気合い入れてかないと。さーて、今日もいつも通り6時に起きちゃったから身支度して本読も。あ、でも、昨日本買ったし、どうせ飲むなら自分で入れてみよ。
昨日直次は、蒔絵の病室を出た後、導かれるように本屋さんに入って行った。そこで棚を眺めていたら、いつのまにか珈琲関連の書籍コーナーについてしまっていたのだ。何を思ったのか、コーヒーの入れ方などが書かれている本のカタログをいくつかてにとって眺めていたら、たまたまお母さんがオススメしていた本を見つけてしまい、ちょうど
余談だが、このご時世に紙の本はあまり流通しないので、全て電子書籍で買うことになる。もちろん、本屋さんの利点は立ち読みができるところにあり、それはシステムが変わっただけで今も昔も変わらない。ただ単に立ち読みも電子書籍になっただけである。システムは意外にも簡単で、その本棚に置かれるべき本がカタログ化していて、そこに書かれているISBNを専用の端末に打ち込むだけである。なので本屋さんの中は、カタログが置かれている場所と立ち読み(座って読むスペースもある)する場所に分かれていることが多い。ちなみに、昨日直次が行った本屋さんは数少ない例外の一つで、入店するときに端末を渡され、こじんまりとしていた割にはしっかりしているカフェスペースで珈琲などを飲みながら読むことができるのだ。
やっぱり、
さてと、とりあえず用意しますか。ペーパーフィルターは、えーっと、どこだろ?……はあ。全部の戸を開ければ見つかるよね。えーっと、一つ目はっと、……ん!あった。しかも、粉から器具までなんでも揃ってる。あ、本に載ってたドリップもある。あとは、サーバーがあればいいんだけど……あ、これかな。粉は、確かこれでいいはずなんだけど、間違えると怖いから姉貴に聞こ。
ということで、姉貴の部屋に来ましたがなぜかすすり泣いてる。え、なんか悲しいことでもあったのかな?
「姉貴?どうして泣いてるの?」
ん?IPLUSに、イヤホンが付いていて、耳に装着済みである。思はず取り上げてしまったが、見ていたのは結構泣けることで有名な映画だった。姉貴はこういうの好きだからなー。でも、
「なんで、またこの映画で泣いてんの?今までに何回見てたの?」
「3年前に買ってから、100回は見てるけど〜、でも〜、何回見ても、泣けちゃうんだから、仕方、ないでしょ」
「姉貴が涙もろいことは知ってたけど、100回見てもまだ泣けるその精神はすごいわ」
「だって〜、曲と、内容がすごくいいんだもん。ナオナオも見なよ」
「わかった、後で見ることにするわ 。それはそうと、どの豆が使っていいか教えてくんない?」
「えっと、確か棚のいっちばん手前のだよ」
だいぶ涙は引いて来ていたが、紛らわしいからほんとやめてほしい。
気を取り直して、棚の一番手前にあったのはこの瓶だったな。
えーっと、いっぱいあたり10gの粉をペーパーフィルターに入れればいいんだよな。それで、ドリップにセットすればいいんだよね。それをサーバーにセットして、96度ぐらいのお湯に入れるんだー。へー。お湯ねー。まだ準備してなかったなー。
-数分後-
沸騰し終わったから、温度計では買って待ってればいいのかな?あれ?さっき火から下ろしたばっかなのにもう96度になってる。冷めるの早いなー。それで、それをのの字に注げばいいんだよな。わ、結構難しいな。あれ?写真だと注ぎ口の部分が細くなってる。あ、そういえば、棚の中にもひとつあったなー。えーっと、本ではっと、あ、コーヒードリップポットっていうので入れるんだー。えーっと、あ、沸騰したお湯を移して使うんだね。さて、 気を取り直してやって見ますか。お、今度はうまく行った。へー。こうやってやるんだー。一回に注ぐのはこれくらいかな?よし。うまくいけてる。で、あと2、3回やればいいんだよね。
-数分後-
よし、淹れ終わったなー。早速飲んでみよ。……‼︎かあさんにはまだ届かないけど、結構美味しいじゃん。この後も頑張るぞー。オー。
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