サイバー・デビル

二千六十五年、世界はアメリカ、日本など自由主義陣営の同盟であるリバティ連盟とシナーロと呼ばれるテロリスト陣営に二分され、世界支配を目ろんで互いに争っていた。ＩＴシステムは長足の進歩をとげ、人類の生活は全てコンピュータによって管理・制御されていた。
通信システムも進化し、十五年前、身体へインプラントする通信機器が実用化された。超小型の通信ディバイスを人間の脳にインプラントし、音声や文字を介さず、脳波によって他人どうしの脳と脳が直接コミュニケーションをとれるようになっていた。
学齢期に達した子供はみなこの「パレント」と呼ばれる通信ディバイスを脳にインプラントされた。パレントは、シナーロへの情報漏洩に悩むリバティ連盟が情報管理の切札として開発したシステムと言われていた。
警察庁のサイバー犯罪対策課…続きを読む