恐怖に形はない

この魔王、最後まで姿を見せない。
それこそが恐怖の形なのだと知っているかのようである。
ぬるま湯のような闇に侵食されていくうちに、いつの間にか自分の意思すら無視して体が魔に支配される。
正気であるからこそ、恐ろしい。狂気に身を任せられないからこそ、恐ろしい。
正気と狂気の狭間で、一体、何ができるだろうか。

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