儚くて、尊い

丁寧に型どられたガラス細工の宝石、そんなイメージの浮かぶ作品でした。見た目はきらびやかでありながら、どこか危うい儚さを持っている、そんな雰囲気を思わせる文体です。
しかし、その内には決して崩れることのない固い思いが確かに存在していて、読了後は深く感動してしまいました。
物語としては、登場人物達の心を揺すぶる世界観設定が非常に巧みだと思います。
独特の発想によって、上記のような矛盾したイメージを併せ持ったキャラクターの心情、展開を見事に産み出しています。
まさに、見る人に訴えかける小説でした。読ませていただきありがとうございます。

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終焉のむこうがわ