第3話 暗雲
「ニカ、大丈夫か?怪我とかしてない?」
「うん、大丈夫だよ。ヒョウ、さっきの黒いのは何だったの?あんなの初めて見たよ!だけどあれからはすっごいやな感じがした」
「私にもわからない。だけどニカと同じですごく嫌な感じがした」
ほんとうにあれはなんだったんだ?いままで見たこともなければ聞いたこともない
それにあれを見た時のあの感覚…セルリアンともう違う、不気味で誰かの悪意もこもってるように感じられた。
外がどうなったのか気になったので私は穴の入り口を見上げてみた。
少し薄暗くはなっているもののさっきの靄は通り過ぎていったらしい
「さっきの靄は通り過ぎてったみたいだけど念のためもう少しここにいよう。っでしばらくしたら外に出て図書館へ行こう。博士達ならあれについて何か知っているかもしれない」
「わかった」
しばらく外を見上げていたがなんの変化もなかったので私たちは外に出た
あたりを見回しても特にこれといっておかしなものはない、ただ少し周りが薄暗くなった程度だろう。
「ヒョウ腕が!」
「ん?」
ニカに言われて腕を見てみると毛皮に血が少し滲んでいた
どうやらさっき穴に転がり込んだ時鋭い石か何かで切ってしまったようだ
だが特に痛みはなかったので言われるまで気づかなかった
まぁあれだけの勢いで転がっていったんだ怪我がない方がおかしい
むしろこのくらいですんでよかった
ニカも見たところ怪我はなさそうだ
「大丈夫だよニカ。痛みもないしこのくらいほっとけば治るよ」
「それならいいけど」
「それよりごめんなニカ、なんの確認もなしにいきなりあの穴に飛び込んで」
「気にしなくていいよ、多分私もヒョウと同じことしたと思うからさ」
「じゃあ図書館に行こうか」
「うん 行こう行こう!」
私たちは図書館に向かって歩き始めた
私の大切な・・・ ニコルinカクヨムちほー @nicorubig
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