夏休みと以後の話


「……ということで、次からちょっと夏休みに入ります。そして新連載のネタなどもご紹介という、そんな話ですね」



「どんな話よ?」


「いやまあ夏休みというか」


「誰が?」


「…………」


「担当さん?」


「アーまあいろいろ準備とかあるものね。でも、何やるの?」


「あ、ファン学です」



「……ファン学……」


「軽っ! 重要発表なのにクソ軽いわね」


「いや、電撃の広報雑誌とか、今、ありませんからねー」


「アー電撃ADVENTURESね」


「そこは”電撃hpね”くらいで収めましょうよ……!」



「ファン学、どんな話なんです? あ、CITYの次のLINKSの話だというのは解ってます」


「ええ。C102で設定本出すから手に取って貰えると有り難いわ」


「終わり」


「コラッ」


「え? ここ、私が怒られる処?」


「多数決だと大体私が勝つと思いますね……」


「え? 何ソレ。私だからってそういうこと言うのね? 今、私はまた虐げられている……!」


「また?」


「いやコレ前もやったわよね、って」


「ハイハイそういうムーブはどうでもいいので解説しなさい」



「マー単純に言うと、世界が一回崩壊して、いろいろおかしくなった東京が舞台ね。

 主な現場は西立川・昭和記念公園に現出した地下重層オープンワールド”大空洞”。

 その上に建つ東京大空洞学院に通う、主人公達のスクールライフRTAね」


「神々に続いての立川方面ですね……!」




「仮のヘッダとしてはこんな感じね。世界観としてはCITYの次で、これまでの世界観が全部繋がったような状態になってるわ」


「全部盛り?」


「感じ感じ。

 全部盛りで新世界。

 その上で”今”をやる訳。

 だから気をつけて欲しい処があるの」


「何です?」


「全部盛りの世界観だけど、世界は一回崩壊してるの。解る?」


「…………」


「……全部盛って、仕切り直し?」


「そう。――ガジェット全部突っ込んだ上で、仕切り直し。

 だから初心者さんも、うちの作品知らない人も、入って来て大丈夫よ。

 寧ろその方がいいわ。

 仕切り直しによって”過去のアレが!”みたいな既読者ムーブは全て無意味な上で、これまでのタイトルではあり得なかった”全部盛り”が始まるから」



「つまり、――新規読者が一番得をする”知らない状態で全部盛りを浴びれる”ですね!」


「そう。それも見せつけるようなものじゃなく、作中に何気なく突っ込んでいくから、贅沢よね。

 品が変わって行く事に気付かないコース料理を延々と食ってしまう感じ?」



「ではどんな話なんです? もうちょっと詳しく」


「ええ。全体的にヤレてしまった世界の中、川崎に住む少年がある朝起きたら自分がダークエルフになっていたことに気付く。そんな処からスタート」




「…………」


「種族変換の上でTSは難度高いですね」


「よくあるよくある。――でまあ、いろいろ激変して進路も変えないといけなくなったり、周囲はしかし気を遣ってくれたりしてね。

 ただそれがちょっと辛くなってしまって、自分みたいなのがいる東京へ転入するの」


「東京へ?」


「ええ。東京は、地下の大空洞の影響で、異種族化や擬人化が常発する都市となっていて、特に大空洞のある”大空洞範囲”と呼ばれる地域では、外部のそういった連中の移住を良しとしてた訳」


「だとすると……」


「そうね。外からやってきた、ナリの目立つ転入生。でもレベル1の彼女? を主人公として、この”大空洞範囲”での生活を追って行くことになるわ。

 ちょっと内容を一部、立て続けに抜粋しましょうか」



■■■■■■


「――いいですの? ここは”東京大空洞範囲”と呼ばれる場所。

 東京大空洞という、更新制の階層式オープンワールドダンジョンに、市街に溢れる怪異、それらを巡る因縁や企業、国家との抗争。そして――」


 見上げる空。北の方には、雲より高い位置に長大な影が見える。


「――”武蔵勢”を始めとする五大頂。”東京大解放”を救った者達の干渉も含め、ここは”何でもあり”な東京の中でも、最高の鉄火場ですの」


■■■■■■


「お前、住居は?」


「東中神? そこと中神駅の間にあるマンション? そこです」


「アー、線路向かいが小学校のあたりか。アパートの通路に壁作ってマンション言ってるタイプのアレだな。学生用にアパート貸すとろくなことにならんって言うんでそういう行政と大家が折衷案出してんだよな」


「自分ヤバい処住むんです?」


「気にすんな。あのあたりは顔見知り多いし、ケッコー安定してんぞ。

 一番ヤベエのは学校だからな」


 アー、などと言いつつ遠くに見える夕日に向かって歩く。

 夕日は、川に映っていた。

 空。遠い天上に、川が流れているのだ。


「地下東京のこういうの見るの、初めてか?」


■■■■■■


 己に誓う言葉を、皆が叫んだ。



「我ら前を見る者なり!」


「我ら全ての行動を感情によって始め」


「我ら理性によって進行し」


「我ら意思によって意味づけるものなり!」


「我ら何もかもと手を取り!」


「我ら生き!」


「我ら死に!」


「我ら境界線の上にて泣き!」


「我ら境界線の上にて笑い!」


「我ら燃える心を持ち!」


「我ら可能性を信じ!」


「我らここに繋がるものである……!」


■■■■■■


《お前……、モンハン下手な人かよ……?》


《動くなって言ったの、お前だよな!? な!? そこらへんちょっと思い出してから人を責めような!?》


《ハナコさーん……。第一界層で使ったら駄目なレベルの回復系ぶちまけたように見えたんだけど……》


《いいじゃねえかよ! あたしの所持物をあたしがどう消費しようと!》


《…………》


《あっ! そこのお前! 今、あたしを責めるための語彙を探しているな!? そうだな!? クッソ、あたしは今、イジメられている! あたしが被害者だ!》


■■■■■■


「白き籠に 白き豊穣

 白き窯に 白き採石

 果て白き 此処白き」


「黒き箱に 黒き報償

 黒き泉に 黒き流水

 此処黒き 果て黒き」


 二人が同時に叫ぶ。


「――”相反の棺”!!」


■■■■■■


「いいか? これからお前は、あたし達や、仲間達と、大空洞範囲の攻略で生きていく。

 逃げ出さない限り、どういう手段や関わり方になるかは解らないが、それがお前の人生ってヤツだ。

 レール無し。

 フィールド有り。

 そういうことだ。

 つまりお前は、これからずっと、今より入る大空洞や中小の空洞内の攻略作業をしたり、ここにいる連中と対戦繰り返して、終わりの無い祭を、果てるまでずっと続けていく事になる」


■■■■■■


 これは、何者でもなくなってしまって、だが、どうしようかと、そう思って燻っている自分達の、隠しきれない暑苦しい話。


■■■■■■


「ノリノリですね……!」


「まあそんなものよ。とりあえずこれを、休み明けから始めるわ」


「いつからです?」


「日付を書こうとしたら担当さんに”八月中ってことにして下さい”って言われたから八月中?」


「アー」


「まあいろいろ大変なのよ」


「ええと、じゃあ、コラムの方は?」


「今後は不定期連載か、例えばファン学が一巻分終わってチョイ隙間空くときとか、それを詰める感じで?」


「アー、正しい意味での不定期穴埋め連載」


「感じ感じ。ともあれまずはファン学の方、御期待あれという処で」


「そういう流れで今後も宜しく御願い致します……!」


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川上稔がフリースタイルで何かやってます。 川上 稔/電撃文庫・電撃の新文芸 @dengekibunko

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