自分以外は全て敵という荒れ果てた世界で、無限の闘争を続けていた怪獣・龍巍。だが、ある戦いの最中、龍巍は地面に呑み込まれ、気が付くと全く別の世界にいた。
そこは竜と人間が共存する世界。龍巍は自分に何が起こったかわからないまま、ただ敵を求めてさまよう。だがそこで彼を待っていたのは、敵ではなく竜と人間のハーフの少女・ジーナとの出会いだった。
この龍巍、怪獣だけあって圧倒的に強い。異世界の竜が火を噴き毒液を吐こうとも、ものともせずに圧倒的な力で蹂躙していく。この傍若無人な姿こそまさに怪獣だ!
しかし別に彼は戦いを楽しんでいるというわけではない。ただ他の生き方を知らないだけなのだ。そんな彼に対してジーナはこの世界で暮らすためにいろいろなことを教え込もうとするのだが……。
果たして彼女の想いは龍巍に届くのか、この世界とはかけ離れた存在である龍巍は自分の生きる意味を見つけることができるのか。
怪獣の異世界転移という大胆な設定とは裏腹に、一頭の怪獣の生き様を丁寧に描く異色のファンタジーだ!
(「人外な転生物語」4選/文=柿崎 憲)
全てを敵と見做し、破壊衝動のみに突き動かされて来た怪獣・リュウギ。彼の運命は、ワイバーンをはじめとするドラゴンが跋扈する異世界に転移されたことで、大きな唸りを迎えることになる。
そこで出会った人ならざる少女との触れ合いや、人々の心に触れ――リュウギの中に、かつてない「感情」が芽生えようとしていた。
そして、彼の前に破壊と災厄が訪れる時。その全てを穿つ真の「怪獣」が、咆哮と共に顕現する。
「異世界に怪獣が転移する」という今までにない切り口で描かれる、怪獣バトルアクションファンタジー。怪獣愛に溢れるミレニあん先生が描き出す、全く新しい「怪獣」の概念をご覧ください。