この小説の魅力は、キャラクターと、キャラクター同士の関係性です。
個性的でどこか歪んでいるキャラクターたち。幾重にももつれ絡まり合い、事件が起こっては度々変化する関係性。
一度沼にハマってしまえばとにかく目が離せません。
特に、歪んだ関係性の百合が読みたい方は必読です。
ヤクにセフレにレズレ、女を取り合う女と女の殴り合い、ケンカップル、殺意を伴う執着などなど……刑務所という特殊な環境ゆえの特殊な関係性が大量に詰め込まれていて「さいきょうのれず」が読めます。これは間違いない。
1話1話がきりのよいところで終わるので少しずつ読んでも大丈夫なのですが、
え、この先どうなるの? この子は大丈夫なの?
とドキドキしっぱなし。
夢中で読んでいたら、電車で降りるべき駅を乗り過ごしたくらいです。
スマホで読むことに慣れなかったり、心惹かれるテーマが少なく、Web小説には苦手意識がありました。
しかし、私はこの小説にWeb小説の面白さを教えてもらったと感じています。
私は14話で沼にハマりました。
あなたはどこでハマりましたか? ぜひ、この小説を読んで確かめてみてください。
第一に、90話に及ぶ物語を綺麗に完結させた作者の力量にただただ感服。
等しく愚かな女たちが牢獄という閉鎖空間で繰り広げる壮絶な殺伐百合。殺伐も百合も単なるアクセントではなく、「殺伐百合」とまとめて称するのがふさわしい、そんな作品。
若干スロースタートなきらいはあるが、ACT.40あたりから物語は一気に加速していく。前半部分を贅沢に使ったことで生じるその爆発力は圧巻。
登場人物は一癖も二癖もある奴ばかり。琴線に触れたキャラクターがいればその結末を最後まで追い求めるべきだが、そこからorそこへの矢印がどのように変遷していくかを同時に楽しむことで、この物語の魅力は何十倍にも膨れ上がる。
個人的にはエラーと彼女をめぐる感情の行方に心踊らされた。結末は程よくドラマティックであり、また程よく妥当であった。非常に満足している。
最高の屑たちの最高の輝きを見たい方に勧めたい。
最後まで緊張感を持って読みました。
今あとがきまで読み終えて、余韻とともに寂寥感に胸が支配されています。
それだけこの物語のキャラにどっぷり感情移入してしまいました。
この作品に出会ったきっかけは、とあるコンテストでした。
当時既にかなりの文字数があったので、全部読むのは大変だなと思いながら読み始めました。それが気が付いたら最新の更新まで一気に読み終わっていて、「続きは!? 続きはまだなの!?」と禁断症状を起こしていたんです。
百合好きの中でも人を選ぶ作品だと思います。ただ、私は1話目で既に引き込まれたので、好きな人は1話で好きになると思います。
このレビューを読む方は、これからこの作品を読むかどうしようかという方がほとんどだと思うので、ネタバレは控えますが、一つだけ。
私はクレ×エド派です(唐突)。なのでエラーとムサシに苛立つ自分に気付きました。こういう読者って、こじらせると毒者化するから危険なんですけど、でもこういうファンをつくることが作品にとって勝ちでもあるんですよね。商業化した時に文句を言いつつ続巻を買ってくれるので。
私もこれだけ感情移入させる作品を書きたいものです。
素晴らしかった。寂しいから同じ作者さんの他の作品も読んでみよう(難民)。
ひとこと紹介にも書きましたが、ラーメンで言うと二郎系です。
大盛りチャーシュー追加麺硬め油多め野菜ニンニクマシマシぐらいの破壊力があります。
とにかく凄い、脳みそに直接訴えかけてくるような味付けで箸が進むこと間違いなし。でもあまりの量と濃い味付けに食べきれない方もいます。しかし食べ残しは厳禁です、残すと店主や横の客にギルティ(断罪)されてしまいます…そんなスリルを味わいながら食す。そんな感じです。嘘です。
綺麗事無しの人間臭さ(人間らしさ?)極振り+暴力的な部分有りなので苦手な方は苦手かもです。
でも好きな人にはストライクゾーンに新幹線くらいの速度で球飛んできます、球を喰らって吹き飛びながらも『ワイが求めたのはこれやぁ!!』ってなります。多分。
あと、作者さんのツイッター面白いのでフォローするといいかもです。