何度読み直しても面白い

インパクトに頼った作品は、一度読めば読み直す気が起きないこともザラですが、この作品は違います。
奇抜なタイトル、死と隣り合わせの理不尽が渦巻き暴力が支配する世界観、食わせもの揃いの登場人物、血と汗と汚物に塗れた道行きと、強烈なインパクトのある内容でありながら、文章力、構成力、ユーモアセンスが伴った確かな芯があり、忘れた頃に読み返せば、その度に楽しませてくれる力があります。

商業書籍があれば当然、お金を払って手に入れ愛蔵すべき良作であることは確かなのですが、何をトチ狂ったかと思うような超ライトなコンセプトでの出版と相なってしまい、しばらく経っても続巻がないようで絶望的としか思えず、購入を強くお薦めできないのが非常に残念です。
角川さんには、是非この良作をまともな形でリブートして欲しい。
読み終えた後に本棚の並びを眺めながら次の発売を心待ちにする、そんな日々を夢見ています。

角川さんでリブートできないなら、もうはっきり言ってキンドルでもブックウォーカーでも個人出版してくれれば買いたい。
それぐらい評価する作品です。

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