コトノシダイ~織紙言乃の事情~

作者 須能 雪羽

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★★★ Excellent!!!

物語は衝撃的に始まり、私はハラハラさせられました。

ヒロイン、織紙言乃さんは、心を痛めたのではないか。

友人となってくれそうな方とは上手く行くのかな。

どうも守ってあげたいタイプとして登場しました。

しかし、人は、いつまでも同じではありません。

辛いことを乗り越え、喜びを分かち合える時は笑い、大げさなところは控えめにして、日々成長をみせてくれます。

これは、日常を描いたものですが、スパンを広く、「はじめのいっぽ」、「ふたりのきょり」と伸ばして行きます。

現在、「みっつのこい」に差し掛かっております。

それから、仰々しいことなどなく、ほっとするシーンもあったりします。

大切な人々には、それぞれ思いがあります。

時には傷つけたかも知れない、けれども宝物かも知れない、様々なものを深く追っています。

作者の筆致が確かなのが、情に絡んで表れていると思います。

私の気に入ったのは、キーワード、「白」です。

どこにあるか、探しながら読まれてもお楽しみいただけると思います。

まさに、ことの次第はどうなるのか。

是非、ご一読ください。

自分の青春に出会えるかも知れません。

★★★ Excellent!!!

 第一部「はじめのいっぽ」は、異なる時間・場面(入学式、構内案内、屋上、病院)を巧みにつないで物語が展開します。その中でも「音羽くんの父親の言葉(3話、6話)」の挿入に、作者の持つ「読ませる力」を感じました。

「普通の生活の物語」に現実性を加味する要素として、第一部のこの父親の存在は、ヒロイン(やその友人)の視点からは、好悪双方の感情を投入できる稀有な配役として「重み」を持ちます。その重みそのものが、物語の主題でしたら、恐らく父親は、彼女、彼女たち、そして彼に対しても、物語の中盤くらいまでは異なる動きをしていたのかもしれません。

 他方、作者の求める主題は「普通の女の子たちが、普通に生きる、普通のお話」でした。そのため、ヒロインと父親との邂逅、そこでの友人たちを交えたやり取りは、想像以上に早い段階で訪れます。ただ、それが次の軸足となる「彼女と彼の関係」や「彼女たちの関係」へとつながる構成となっており、良い意味で作者の巧さに裏切られました。

 次の展開が待ち遠しい良作です。 

★★★ Excellent!!!

最新の第32話までを読んでのレビューです。

主人公は女子高生になったばかりのコトノちゃん。
ちょうど子供時代から大人になろうかという、まさにその境界線上にいるような少女。
彼女は入学早々、音羽くんにケガをさせてしまい……と不思議なオープニングから始まる物語です。

不思議な出会い方はしたものの、彼とはちょっと特別な縁も生まれ、賑やかな友達も出来て、平凡なようだけどちょっと特別な日常が始まります。
恋未満の淡い思い、友達と出かける夏の海、二人で出かける映画館と、それは高校生には当たり前の光景かもしれないけれど、コトノちゃんにとってはどれも特別な事ばかり。
というのもコトノちゃんはどうも人とは少し違う純粋すぎる感受性があるようで、いろんな出来事に驚き、楽しみ、ゆっくりと成長をとげていきます。
この辺りがまさにタイトル「事の次第」とかけ合わさって描かれていきます。

丁寧に描かれた心中描写、シーンを切り取る描写、穏やかそうだけど本人には大事件なストーリー。
まだ連載中の作品ですが、続きを楽しみに追いかけてみてください。