永遠の愛は成長する

永遠に変わらない愛を誓う……というけれど、変わらない愛などあるのだろうか?

厳しい自然に抗って生きる部族ゆえ、伴侶を持ち、家族を増やし、助けあり、生活して行くのが常。が、ディアは逝ってしまった恋人のサーレイに、永遠の愛を誓い、一人で生きてゆくことを決めた。
その誇り高い姿に恋をして、ヤーレイは10年も彼女が愛に応えてくれるのを待ち続ける……。

一見、永遠に応えてくれない恋人を一途に思い続ける……という意味では、二人の愛は似ているのかも知れない。
でも、ディアの愛は成長せず、ヤーレイの愛は成長する。

少女が夢見る永遠の愛は、「そして姫は王子と結婚し、二人は幸せに過ごしましたとさ」であり、愛を誓い合ったその日から変わらない姿だ。
だが、王子の愛した姫の美しさはやがて老いで色褪せて、優しさは不幸に霞むかも知れない。少女はそこに目をつぶる。

命ある限り、人は移りゆく。姿も心も変わってゆく。
永遠に変わらない愛とは、実は、変わりゆく愛ではないだろうか?
二人で育み、成長するものではないだろうか?

ささやかな二人の愛が、永遠に続く余韻を感じる……希望に満ちたラストです。