くだらない感傷。だけど、そんなちっぽけなものが何よりも貴い。

たとえば今手にしているスマホに、命はあるだろうか。
使われるために生まれてきて、忠実に頑なに役目を果たして、そして。
その先を思うときに私たちに特別な感情は湧かない。
道具は道具として。
持ち主の都合で簡単にその役目を終える。
けれど、幼い頃に抱きしめたぬいぐるみはどうだったろうか。
毎日話しかけて、愛して。
そこに命を見なかったか。

役目を終えたものは、いつか去らなければならない。
ぬいぐるみの耳がとれたと言って泣くのは、くだらない感傷なのかもしれない。
無機物に命を見るのは、人のエゴなのかもしれない。
だけど、それはとても美しいと。
私は思う。

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