エピローグ
「あんのッ、バカ兄貴!!」
新聞を投げ捨てて、肩で息を繰り返す。
なんてことの無い、よくある山奥での心中事件。
「なんで、なんでだよ…。
嘘だろ。」
柳 傑(24)
柳 優(24)
数年前から姿を消していた兄と義姉の名前がそこに書いてあった。
「優姉ちゃん、戻ってくるって言ってたじゃねえか。」
佐藤家に生まれ、置いてかれた幼い彼女を引き取ったのは、事件を担当していた父で。そこから、ずっと仲良くしてくれてた大好きな義姉。
兄貴と家を飛び出した時、俺の机に置いてあったメモには、そう、ちゃんと、書いてあったのに。
「式が始まるから、はやくしなさい」
やつれてしまった母の声に、何も言えずに会場へ足を運ぶ。警察官の父によれば、2人は抱き合って亡くなっていたらしい。そして、優姉ちゃんは、病気を抱えていたとも言われた。
「兄妹で、恋愛とか…。」
信じられない現実。
信じたくない事実。
会場の中心に飾られている遺影には、悔しいほどに幸せそうに笑ってる兄さんと義姉さんがいた。
REVOLVER はとぬこ @hatonuco
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