第8話光の中の目覚め
深い深い眠りの中で、ジョニーは、まばゆい光の中に居ました。まるで雲の上を歩いている様な感じでしたが、そこは雪の上でした。そして横にはセティが居ました。ジョニーは青年の姿で、セティはあの夢の中の女の子でした。ジョニーは歩きながら今迄の記憶を辿っていました。すると、ジョニーの大切な思い出も、一筋の光も見えない時も、ほんの小さな出来事も、何時もセティと一緒でした。そして何時もセティはジョニーを導いてくれていたのでした。ジョニーが「セティ」と呼ぶと、セティは一瞬ジョニーを見て、照れた様にジョニーの肩に軽くパンチしました。時折、木々の上から粉雪が舞い降りてきました。2人は森の中の道を歩いて行くと、遠くに教会が見えてきました。すると、ジョニーの手を握るセティの手に少し力が入りました。教会の前ではジョニーの母が首を長くして待っていました。ジョニーの母は、2人を見つけると、小さくジャンプして、思いっきり大きく手を振りながら、「ジョニー、セティ」と呼び続けています、すると木の上から粉雪がバサバサと落ちてきました。「母さん声デカイよ」とジョニーがボソッと言った瞬間セティが「エマ〜」と言って走り出しました。するとジョニーも「セティまた転ぶなよ」と言って走り出しました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・fin
檻の中のジョニー 琴乃佗 博(ことのほかひろし) @KOTONOHOKA
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