そろそろぼくたちは、切なさを友だちにしようか

第1回青春文学大賞の最終選考27作進出、「モノクロームの空に」を改題・改稿。

2003年。大学4年生だったぼく。
やりたいことを見つけられなかった大学時代に、ぼくは、「深夜の散歩」という趣味を覚えてしまう。灰色の将来を思い描きながら、夜、一人で暗闇を歩くぼくが出会ったのは、同じように暗闇にもがきながら、何かを手に入れたいと願う人たちだった。

そして2010年。
社会人になったぼくは、ある地方の新聞社の契約社員として働いている。
やりたいことをなんとか見つけたつもりで、でもかなえきれなかったぼくは、2003年のことをふと思い出しながら、これからも続いていく人生に思いを馳せていく……。