世界の終りのその淵で

作者 星崎ゆうき

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★★★ Excellent!!!

どのシーンも細やかに構築されているので、想像を描くほど映像が浮かび上がってくるような言葉運びが魅力的な物語。この世の惨劇にはすべて発端があることを伝えようとする強靭な意志と世界観に心動かされます。SFとして物語を構築していく上での作者のテクニックには映像的な趣向だけでなく、生物学、物理工学、薬学、天文学等の知識と論理的観点を駆使して、物語の中に取り入れ、登場人物一人一人に物語を構築していく上での役割を与えていると思いました。人工知能AIの進化で拡大しているロボットの話題も連想させ、AIと人類が共存していくためにはどうしていくべきか省察していくことの大切さも訴えかけているように思いました。

それから、SFの命題として未知なる脅威との闘いが大前提にあると改めて思ったのですが、大いなる意志に向かってストーリー全体が繋がっていることが読めた時にそれまで、詳細に描かれていた各章の内容に意味が生じて、悲しみに包まれた惨憺たる場面をも描き上げた作者の並ならぬ筆力の強さと努力の過程を思いました。

★★★ Excellent!!!

かつて、人が望んだ未来は思わぬ変貌を遂げ人類へと向かう。

世界が終わりを告げようとする時。

人は何を思うのか。
人は何を思ったか。

地球上における全ての生命の歩みが、たったひとつの意志であったのならー。


私は、完全な一致の美しさを確かに見たと思う。
そして、切なさの先にある夢に思いを馳せる。

本当に素敵な作品でした。
こちらの作品に出逢えて幸せです。

ありがとうございます!

★★★ Excellent!!!

 終焉をむかえる文明世界のなかに生きる人と、それを脅かす機械生命体「ドローン」、そしてエンフォーサーと呼ばれるドローンから人を守るためのヒューマノイド。

 エンフォーサーから見たこの世界を、自身のアイデンティティ(存在意義)を意識しながら断片的場面を切り取っていきます。なぜ世界が終焉へとたどり着いたのか。物語が抱える謎は、終焉世界のエンフォーサーの視点から、その先の未来の人々へと移り、そして、その発端となった過去へと舞い戻ります。

 それぞれの時代のそれぞれのヒューマニティ(人間性)。そこから、人類という枠を越えた「生命」の意味を明らかにしていきます。生物学的に見た生きるということ。おのおのが胸に秘め、つき動かしていく情動という名の生命のほとばしりの果て。

 知的好奇心を刺激されながら、地球という星の上に生きるということへの壮大な問いかけとその答えを、是非目撃してみてください。

★★★ Excellent!!!

SFの中に薬や医療が使われていて
人それぞれ違う生き方で幸福も違う生命は星に意思が
あるなら星ってなんなんだろう。
遊動生活をしているようにも見えてヒトは誕生から絶望の中で生きている。
世界が終わりを告げる中で僕ら生命が生きてることは幸福なんだろうか。
いずれにしても答えの存在しない地球の中で生きている生命は星に何を望むだろうか。
星は何を望むだろうか。
僕ら生命の在り方はいつまでも変わらず「世界というものの中に存在するより世界そのものがある」ということなんだろうと感じました。
素敵な作品をありがとうございます。
また地球の終わりが少し見えた気がします。

★★★ Excellent!!!

1人ひとり幸せの形は違います。誰かに与えられ信じている幸福は、本当に誰にとっても幸福なのでしょうか……。もし、わたしたちが生きるこの星に意志があるのなら、星はなにを望むのでしょう。たくさんある幸せの形。切ないけれど、この物語はそんな幸せあり方のいくつかを、わたしに教えてくれた気がします。