第???話 新生魔王と秘密の魔導カメラ


「さて、そろそろ執務に取りかかろうか……」


 朝食を終えて自室に戻った俺こと魔王ジュノは、のんびりと執務机についた。


 ここ数日、俺はペルヒタ教国や聖隷グルヴェイグ王国への外遊に出かけていた。

 俺が不在の間、神聖アルテミス王国内で何が起きていたのか――それを記した報告書が何件か届いている。

 そんな文書を確認するのが本日の執務というわけだ。

 魔族の頂点に立つ者の務めとして、各所からの報告書にも丁寧に目を通しておかなくては。

 各現場の動向把握や諸々の管理・指揮を部下たちに丸投げしているばかりでは、邪悪なる支配者として二流以下である。


「ふむふむ……ほほぅ」


 いくつか報告書を読み終えたが、幸い大した事件や事故は起こっていないらしい。

 俺がマカイノ村を空け、ペルヒタ教国や聖隷グルヴェイグ王国の民に演説を行っている間も、魔界の皆はしっかり働いていたのだろう。


 わざわざ他国に出向いて演説をしたのは、ネーメの親を探すためだ。

 マカイノ村に捨てられていた謎の赤ん坊――ネーメ。

 青い髪が印象的で、『将来、確実に美人に育つ』と断言できるほどの愛らしさを誇る、二歳前の女児だ。


 ちなみに、今日の子守当番はスピカとグルヴェイグである。

 ……まあ、グルヴェイグが粗相をしても、スピカが手助けしてくれるはずだ。何も起こらないことを願おう……。


「うむ……。これもよし、と」


 読み終えた報告書に、確認済みであることを示すサインを書き入れていると――。


「魔・王・様っ♪」


 ノックとともにドアが開き、小柄な少女が半身をのぞかせた。


 ピンクの髪につるぺたボディ。

 官能的な黒革のボンデージ。

 頭上に漆黒の光輪を浮かべた彼女は、俺の優秀な秘書官である。


「リリスか。入るがよい。……む、どうしたのだ?」


 入室を許可しつつ、俺は小さく首をかしげた。


 それもそのはず。


「むふふふ~♪ 魔王様魔王様ぁ~っ♪」


 リリスが、なんとも妖しげな笑みをのぞかせていたからだ。

 俺の許可を聞くが早いか、彼女は音もなく執務机の前にやってきた。


「その顔……何か愉しい悪だくみでも思いついたのか?」


 苦笑まじりに訊ねると、


「いえいえ滅相もない! 魔王様がご不在の間、リリスはマカイノ村の安全を守るために、ちょこ~っとだけ暗躍してただけですよっ♪」

「ほほぅ、暗躍ときたか。……で、何をしたのだ?」

「工房の警備の強化ですっ!」


 平たい胸をいっぱいに張り、自信まんまんに応えるリリス。

 胸を突き出しているせいで、ボンデージに小さな乳頭がぷっくり浮いているが……それはともかく。


「警備の強化か……。ごく普通の取り組みに聞こえるが、リリスのことだ。何か淫らな要素が含まれているのだろう?」

「仰るとおりですっ!」


 人さし指をピンと立て、リリスが白い歯を見せた。


「……というか、結果的に淫らなかんじになっちゃったと言いますか……」

「ふむ?」


 やや含みのある言い方だな……。

 期待に胸を躍らせつつ、俺は彼女の出方を待つことにした。


 すると間もなく。


「ま、そんなわけで、魔王様にはコレをご覧いただきたいんですっ!」


 リリスは箱状の物体を取り出した。

 手のひらサイズの、機械仕掛けのシロモノだ。

 金属製のフレームには、魔法陣の構築に使用するルーン文字がびっしり彫り込まれている。


「魔導カメラか。ククク……よいではないか。何か卑猥な写真が撮れたのか?」


 俺は思わず立ち上がり、リリスの側へ歩み寄った。

 これは期待できるぞ。たとえばスピカのスカートの中だったり、アルテミスの入浴シーンだったり、グルヴェイグやペルヒタが自らの柔肉を慰めている場面が写っていたりするのだろうか。


 期待が膨らんでいく――。

 股間が、膨らんでいく――。


 しかしリリスの答えは、俺の一歩先を行っていた。


「んっふふ~♪ 今回は写真ではなく、動画なんです。ど・う・が!」


 魔導カメラは実に便利だ。

 無論、動画の方が臨場感は上である。ここまで勿体ぶるということは、どれほど卑猥な動画が撮れたというのだろう。


「して、リリスよ。一体どんな動画なのだ?」

「気になります~?」

「うむ!!」


 食い気味に返事をすると、リリスは手早く魔導カメラのセッティングを開始した。


 ただ映像を撮るだけでなはく、撮った映像を後から壁に投影することもできるのだ。魔導カメラの発明者には、魔王として勲章を授けたい気分である。


 やがてリリスはカーテンを閉め、


「ではでは、始まり始まりぃ~っ♪」


 部屋の壁に魔導カメラを向けると、金属製のボタンを指先で押下した。


 薄暗くなった室内。

 レンズから放たれた青い光が、見覚えのある景色を壁に映す。


「むっ?」


 俺は目を細めた。


「この映像……俺の部屋ではないか」


 そう。

 動画はまさに、この部屋を映していたのだ。


 しかし、視点がおかしい。

 魔導カメラの映像は、俺の私室を天井から見下ろすような構図で撮られている。


「なるほど。部屋の隅――その天井に魔導カメラを設置していたのか」

「ご名答ですっ♪ 防犯のために仕掛けたので、さしずめ『防犯魔導カメラ』とでも言っておきましょうかね~っ」

「それはともかく、この映像はいつのものだ?」

「魔王様がペルヒタ教国への外遊に出発した日の映像ですっ! リリスとネーメさんも一緒でしたよねっ♪」

「なるほど。あの時か」


 俺は記憶を巡らせた。

 外遊のルートは、ペルヒタ教国→聖隷グルヴェイグ王国だった。

 俺、リリス、ネーメが外遊に出かけている間、マカイノ村にいたのはスピカとアルテミスだけだ。

 グルヴェイグは祖国へ戻り、俺の外遊を受け入れる準備を進めていた。

 だとすると、この動画に映っている可能性があるのは……。


 俺が腕組みをした、次の瞬間。


「あっ、来ました来ましたっ!」


 リリスがいきなりテンションを上げた。しかし、なぜか小声&早口である。


 壁に映った動画には――、



『あ、あら? どうしていないのかしら……。……あっ。そういえばジュノったら、今日から外遊だったわね……』



 金に輝くロングヘアを戴いた、類い希なる美少女の姿があった。


 言うまでもなく、スピカ・フォン=シュピーゲルベルクである。

【性欲】八八〇を誇る、気高くも淫らな元・王女だ。

 深い谷間を大胆にさらした魔性の衣に、扇情的なミニスカートを身につけている。


『もぅ、ジュノ……。会いたかったのに……』


 スピカは腕組みをして、不満そうに頬を膨らませた。

 とはいえ、腕組みによってたわわな双乳がむにゅぅぅ~っと押し上げられているため、己の乳※をアピールしているようにしか見えない。美しき映像なり。


「せっかく魔王様に会いに来たのに、残念ながらお留守だった……ってかんじの状況ですね」


 リリスが丁寧に解説する。


「しかも時間は夜っ! スピカさんの【性欲】が高まってくる頃合いです♪」

「スピカは年中、高い【性欲】をキープしているような気もするが……」

「むふふのふ。そんな【性欲】マシマシ状態のスピカさんが、誰もいない魔王様のお部屋で、これから何をしちゃうんでしょうねぇ~?」

「まさか!」


 俺はゴクリと喉を鳴らした。

 果たして、映像の中のスピカは、


『…………』


 無言でキョロキョロ室内を見回し、そっとドアを閉めたのだった。

 それから静かに歩みを進め、辿り着いたのは……。


「俺の執務机――ッ!」

「ですねぇ~♪ まさにココですよ、ココ!」


 リリスが執務机の角を、指先でトントン叩く。

 スピカは熱い吐息をこぼし、


『ジュノ……どうしていないの……? 私、こんなに切ないのに……んんっ……』


 執務机に手をついて、


『はぁ、ぁぁあ……。ジュノ、あぁぁ……ジュノぉぉ……』


 その角に、自らの秘所を当てたのだった!


「おぉぉ……!」

「ね、ね!? すごい映像でしょう!?」


 俺は思わず歓声を上げた。褒めてほしそうにしているリリスの頭を、たっぷりと撫でながら。


 スピカの勢いは止まらない。

 腰を淫らにくねらせて、背徳の割れ目を机の角に擦りつけてゆく。

 何度も、何度も、何度も!


『はぁっ……んあぁぁっ……! んぅ、んんっ、ぅぅぅ……! ジュノ……はあ、はぁ……。もぉ……そ、そんなところ、触っちゃダメよぉぉ……!』


 無論、俺は触っていない。

 スピカが頭の中で、俺とのまぐわいを想像しているのだ……!!


『んっ、んんっ……! ジュノ、激しっ……んああぁぁっ! こんなところでかき回されたら、みんなに気づかれてしまうわよぉぉ……! あぁっ、あぁあ……!』


 しなやかな腰が前後に動く。左右にうねる。

 安産型の淫らな尻が、ぷるんぷるんと弾んで躍る。

 そのうちスピカは背筋を反らせ、白い喉を露わにした。


『はぁっ……ああぁっ、昇ってきた……昇ってきちゃったぁぁ……! ホ、ホントにダメ! こんな格好、みんなに見られたら……私……わたひぃぃ……!』


 スピカがさらに腰を落とす。

 より強烈に、卑猥な花弁を机の角に押しつける。


「ぬふぅ……!」

「い、一体どんなシチュエーションを妄想してるんですかねぇ……。まあ、いい具合にドえっちですけど……」


 スピカ渾身の単独プレイ――。

 そんなものを間近に見せられたら、そんなものを覗き見る背徳感を味わってしまったら、股間がパワーを得てしまうのは当然というものだ。


 なにより、スピカが俺との行為を想像しているとなれば……海綿体の膨張率は限界を超えて高まっていく。魔王冥利に尽きるとはこのことか!


「ぐ、うぅ……」


 股間が、痛い。下半身のダークネス・ロッドが解放を求めている……!


 スピカに倣い、いっそ自分でしごいてしまおうか――。

 俺が股間に手を伸ばした、そのときだった。


「ぬおぉっ!?」


 突如としてズボンと下着が下ろされ、魔性のロングソードが自由を得たのだ。

 そればかりか、すかさず小さな手が肉剣の根元を優しく握り、シコシコシコシコと前後運動を仕掛けてきたのである!


「はぁ、はぁ……魔王様ぁ~……」


 もちろん犯人はリリスである。

 愛らしくも淫らな堕天使少女は、俺のブラック・バベルに絶妙なシコりを加えながら、空いた片手で自らの割れ目を慰めるという高等テクを発揮していた!


 小さな手が、ボンデージに包まれた背徳のクレヴァスを入念に探索する。


 くちゅ、ぷちゅっ、くちゅる……くちゅちゅちゅちゅちゅ……。


 すぐにいやららしい水音が聞こえてきた。

 間違いない。

 スピカのひとりサバトを見学しているうちに、リリスも興奮してしまったのだ!


「はぁ、はぁ……ぬぐぅ!」

「い、いかがですか魔王様ぁ~? んっ、んっ……スピカさんが気持ちよくなっていく様子を見学しながら……ひぅっ、んぁっ……リ、リリスと一緒に気持ちよくなるのも……ぁんっ、なかなかオツじゃありませんか~?」


 リリスの手の動きが早まっていく。

 根元から先端へ、先端から根元へ、シコシコシコ、シコシコシコシコとリズミカルに……。


 ――否ッッ!

 単にリズミカルなシゴきを加えているわけではない!


 俺は気づいてしまった。

 なんとリリスは、スピカの淫らな腰の動きに合わせて、俺の肉欲兵器をこねくり回しているのである!

 まるで映像の中で快楽を得ているスピカと、今ここにいる俺が、実際に交わっているかのような演出だ……!


 時空を超えた手※※の妙技――さすがはリリスである……!!


「ぐっ、うぅ……リ、リリスよ……なんたる気遣い……! ぬぅぅ……す、素晴らしきコキ具合だ……!!」

「ハッ、ハッ……あぁん気づかれちゃいましたかっ。……んんぅっ。魔王様っ……ど、どうかこのまま、リリスのおててで果てちゃってください……! あぁぁっ、はぁん……スピカさんを観ながら、時間差3Pですっ♪」

『あぁぁぁっ、ジュノ……ジュノぉぉ……! フーッ、フーッ……えっちすぎよぉぉ……! はぁんっ、んんっ……ジュノ、上手……んぁぁっ、しゅごぃぃぃぃ……!』


 映像内のスピカが喘ぐ。


「魔王様ぁぁ~! あっ、あっ……リリスも、もぉ……もぉ……!」


 隣のリリスも可愛く喘ぐ。


 世にも卑猥な映像と、生の嬌声と、股間の熱と。

 それらがグチャグチャに混ざり合い――下半身が、ついに甘ったるい痺れを訴え始めた。

 二つの暗黒黄金球が皮袋の中でグイッと持ち上がり……放出の刻は、近い!


 俺は股間をしごかれながらもリリスの身体を抱きしめ、白濁の衝撃に備えた。


「リ、リリス……実にいいぞ! お、俺は、そろそろ……!」

「魔王様っ、リリスもですっ……あっ、あっ……い、一緒にイキましょう! スピカさんと一緒に、三人で! こってりトロトロな特濃え※ちミルク、リリスのお腹にいっぱいかけてくださいぃぃい……!」

『あぁぁっ、あぁぁぁ……! んぅ、ジュノも? ジュノもイキそうなの? ひあぁぁっ、あぁぁっ……好きっ……わたひ、一緒にイクのしゅきぃぃぃぃ……!!』


 ――腰が、痺れる。

 ――背筋が痺れる。


 奥歯を固く食いしばる。リリスを固く抱きしめる。

 股間が熱い。腰が熱い。背中が熱い。肩が熱い。首筋が熱い。

 快楽の塊が、脳天に突き抜ける――!!



 ぶびゅるるるるるるうぅぅぅぅぅっ!!!!

 ぷしゅうぅぅぅぅぅぅぅ!!

 ぷっしゃああぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ……!!



「ぬおぉぉぉ……!!」

「ひぃぁあああぁぁぁああぁぁぁぁ……!」

『ジュノぉぉぉおおぉぉぉぉおおぉぉぉぉおおぉぉ……っっ!!』


 俺、リリス、スピカ。

 三者三様の圧倒的快楽が、放出音と喘ぎ声に乗せて室内にぶちまけられた。



 ――――開放感。



 視界がバチバチと明滅し、気だるく甘い疲労感が、全身をねっとりと包み込む。


「はぁ、あ、あぁぁ……」


 吐息が弾み、膝が笑い……自分でもわかるほど大量の魔王汁を放出したことが、確かな実感として下半身に残っている。


「よ、良き、射※、だっ、た……」


 歯の根が合わなくなった口で、俺は辛うじて言葉を搾り出した。

 そしてリリスの頭を撫でる。

 此度の凝った趣向に、気遣いあふれる肉※愛撫に、深い感謝を捧げたのだ。


「え、えへへへ……ありがとうございます、魔王様ぁぁ~……」


 とろけた声音は、リリス自身の深い官能を如実に示している。


「あぁぁ……魔王様のアツアツおつゆが、お腹に、こんなに……。うはぁ、ドロドロで、熱くて……んちゅっ、ちゅぷぷっ……んん~っ、おぃひぃれしゅぅぅ……」


 なだらかな曲線を描くリリスの腹部には、俺が放出した性感粘液がたっぷりとこびりついていた。

 彼女はそれを指先ですくって口へ運び、くちゅくちゅと音を立てて念入りに味わい、ごっくんと飲み込んで恍惚の笑みを浮かべる。


 そんな中、映像のスピカは――。


『あぁっ、あぁ……あぁぁ……』


 悦楽の余韻にしばらく浸った後、フラフラと歩き始めた。


『んっ……足りないわ……。ジュノ、もっと……ジュノぉぉ……』


 彼女が向かう先は。


「俺のベッドか!」

「あぁ~わかりますわかります。ベッドには魔王様のニオイがたぁ~っぷりですからねぇ~♪」


 ごく自然に共感しているリリスは一体……。どうやら俺の白濁汁を完食し、そこそこの冷静さを取り戻したらしい。

 かく言う俺も、良質の射※を味わったことにより、多少は心が落ち着いてきた。


 が、スピカの【性欲】は止まらない。


『あぁぁっ、ここ……いい……。ジュノのニオイ、いっぱいで……あぁぁっ』


 彼女は俺のベッドにもぐり込むと、すぐさま枕に顔を埋めた。

 たいそう興奮しているらしく、そのままの姿勢で両脚をパタパタさせている。


『スンスン、スンスン……。あぁもぅ! こんなの嗅いじゃったら……私、また切なくなって……!』


 そうしてスピカは自らの股間に手を伸ばし、再びくちゅくちゅと水音を奏で始めるのだった――。


 そこで、魔導カメラの映像がフェードアウトしていく。

 リリスが「ふぅ……」と息を吐き、


「まあ、こんなかんじの映像が撮れたんですよっ。スピカさんったら、このあと魔王様のベッドで寝ちゃいましてね? 翌日やってきたアルテミスさんと鉢合わせして、若干気まずい空気が流れるんです。……その瞬間もご覧になりますか?」

「……い、いや、遠慮しておこう」

「アルテミスさんったら、部屋に来るなり【性欲】ビンビンの状態で魔王様のベッドに飛び込んだものですから、そこで寝てるスピカさんに襲いかかるかんじになっちゃいまして……。とても百合百合しい映像でしたよっ♪」

「…………。……あとで見せてもらおうか」


 気まずい空気は御免だが、そこに百合百合しさが混ざるとなれば話は別である。

 気まずさは背徳感へと昇華され、俺の股間を膨らませる栄養になるかもしれないからだ。


 ――と、そのとき。

 部屋の壁に、新たな動画が映し出された。


『え~っと……これで撮れてるんですかねぇ~?』


 被写体は、ピンクの髪の堕天使少女。

 まさしくリリス本人である。


「む? この動画は一体……」


 疑問を呈する俺に、リリスはニコリと笑いかける。


「あ~、これはリリスのお部屋で、魔導カメラのテストをしたときのモノですよっ♪ リリスから魔王様への、ささやかなプレゼントと言いますか……」

「プレゼント……?」


 彼女の言葉の意味は、すぐに理解できた。

 なんとリリスはカメラの前で、ボンデージを脱ぎ始めたのである!


 ならだかな身体をくねらせながら、勿体ぶるように、じわり、じわりと服をずらしていくリリス。


『むふふふ~♪ 魔王様っ、リリスのつるぺったんな禁断ボディで、いっぱいヌキヌキしてくれたら嬉しいですっ』


 やがて彼女はボンデージの完全パージに成功した。

 ほのかに丸みを帯びた乳※も、ぽっこりと愛らしい腹部も、つるつるの無毛領域も、すべてが丸出し。部屋の壁に大写しである……!


「ぬおぉ……!」


 股間の肉大砲に、次弾が装填される。

 白濁魔弾の発射を求め、ムクムク、ムクムクと勃起角が増していく。


 そればかりか、


『はぁ……あぁぁ、魔王様っ……はぁんっ。リリスだって、んっ、んっ……魔王様のこと……こんなにだいしゅきなんですよぉぉ……』


 映像の中のリリスは魔導カメラに向かって“くぱぁ”と両脚を広げると、俺の名前を口にしながら、想いを募らせ始めたのだ。


「な、なんと……!」


 これは……勃たずにはいられぬ……!


 隣の生リリスは満面の笑みだ。


「おっほぉ♪ 魔王様っ、リリスの動画でコーフンしてくださったんですね! 嬉しいですっ♪」


 すると彼女は俺の前方で跪き、


「おてての次はおクチですっ♪ リリスのひとりえっちっちを観ながら、おクチにたぁ~っぷり二発目を注ぎ込んでくださいねっ!」


 言うが早いか、黒光りする魔界のシンボルにパクッと食らいついたのだった!


「はむっ……んもっ……。んふふっ、おぃひぃれすよ、まおぅさまぁぁ~……」

「うぉっ、おぉぉ……!」


 先端部分を包み込む、にゅるにゅるとした官能の摩擦――。

 リリスの舌が円を描くようにタートルヘッドを舐め回し、ときおり裏筋をくすぐってくる。


 二度目の射精は――近い……!


 俺は“二人のリリス”に性感を刺激されながら、これからのことを考えた。

 謎の赤ん坊、ネーメ。

 彼女はもうすぐ二歳になる。

 当日は盛大な生誕祭を催し、たっぷりの愛情を、ネーメに……!


 ――が、しかし。

 そこで思考がブツリと途切れた。

 押し寄せてくるのは、いつ終わるとも知れない官能の大波だ。


「んぶぢゅっ、ぢゅぽっ……んもっ、んもっ……ぢゅぶぶぶりゅるるっ……! まおうさまぁぁ……はむぅっ……んぶっ、ぢゅぼぼっ、ぢゅるるるる……!」

「ぬぅぅっ、う、ぉぉ……ぉぉぉ……」


 白状しよう。

 これからのことへ思考を巡らせたのは、リリスに早漏をさらしたくなかったからだ。


 けれど、けれども……!


「……ッ! ……ッ! ……ッッ!」


 リリスの奉仕を受けながら、別のことを考えるなど不可能だった。


 吐精の刻まで、あと数秒。

 ……仕方ない。

 今はあらゆる思考を捨てて、リリスの口淫に身を任せよう。

 堕天使少女の妙技を受け続ければ、いつかは早漏が改善されるかもしれんしな。

 ささやかな願いとともに、俺はあらゆる抵抗を止め、心を開放した。



 リリスに導かれながら、絶頂への階段を駆け上がっていく――。

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新生魔王の女神狩り【ヴィーナスハント】 ~史上最強の快楽スキルで、奪われた世界を取り戻す~ 是鐘リュウジ/ファミ通文庫 @famitsu

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