なぜ男はロリコンになり、女は枯れ専になるのか

ちびまるフォイ

ぜったい好かれることはない男女

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枯れ専:若い人よりもおじさんが好きな女性

ロリコン:俺

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なぜ男はロリコンになり、女は枯れ専になるのか

              ―2018年カクヨムレポート





最近、目にするアニメやドラマで気になったので考えてみた。

まずは男。


男はなぜ同年代ではなくロリコン化するのだろうか。


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1)頼られることで価値を見出す男


 男は異性に頼られることで「俺は頼りになる男だ」と実感する。

 自分の能力や才能を誇示したい男としては「あなたを頼る」というのは

 「頼られるだけの能力がある」ということの証明にもなる。


 だから、男の書くラノベには\キャースゴイ/と

 主人公のやることなすこと無条件にほめちぎるヒロインが後を絶たない。


 で、さらに、それが年端もいかない少女となると。


 社会も知らない幼女にとっては、誰かに頼るしかなくなる。

 成人した女が「箸を上手に使えるなんてすごい!」とは褒めなくても

 箸も使えない幼女なら「箸が使えるなんてすごい!」とほめるのは自然。


 自分が頼られることで自分の自信を手に入れられるし、

 自分が助けてあげることで感謝もされる。


 やっぱり小学生は最高だぜ! となる。



2)自分の存在をおびやかさない


 さんざん頼られていい気分になる男にとって脅威なのは、

 「自分以上の存在になってしまう」こと。


 勉強を教えていたはずなのに、自分よりいい成績を取られてしまうと

 「もう頼られない」「俺の才能が負けてしまった」と

 自己否定につながってしまい、急激に冷めてしまう。


 が、相手が幼女となると。


 どんなに小学生の勉強を教えて覚えたからといって

 中学や高校や大学の勉強に追いつくことはない。安心の安全保障。


 「自分が否定される心配はない」とお墨付きがあるので、

 安心できるため、自分より下位の存在を求める。



3)汚れを知らない


 ここまでさんざん男が「自分自慢」したいかを書いてきて

 せめて3つめは切り口変えるかに思えたが、やっぱり同じ。


 男が誇らしくなるタイミングはというと「一番乗り」だ。

 

 小学生のときから給食食べるタイミングを競い、

 徒競走で一番の人間がスーパースターとして扱われる。


 成人女性徒もなると人生経験も豊富なので

 「キスごときでなにビビってんの」となるが、相手が幼女だと

 「わたし男の人と手をつないだことないでしゅ」となる。

 

 それが「この子にとっての1位が俺」という自信につながる。

 だから幼女は辞められない。

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では、女の枯れ専はどうなるのか?


同年代のイケメンより、どうしておじさんを好むのか。



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1)冷静で大人びている


 おじさんともなれば「社会経験豊富」となる。


 回らないお寿司屋さんでもビクビクしないし、

 ファミレスの店員呼び出しボタンにドキドキしない。


 そんな「頼れる男」の要素をふんだんに盛り込んでいるのがおじさんだ。


 男が求める「1番乗り」での優越感よりも「経験豊富」での安全性を求める。


 デートのときに「わぁーすごい!初めて見た!!」とはしゃぐ男よりも

 滞りなくエスコートされることで、「自分は丁重に扱われる存在だ」と

 愛されている実感を得ることができる。


 愛されるより愛したいマジで、が男で。

 愛すよりも愛されたいが女。


 キンキキッズが女だったら歌詞も変わっていたのかも。



2)どんなことでも受け止めてくれる


 前述の社会経験豊富にもつながるが、

 おじさんともなればもう大抵のことには驚かない。余裕たっぷり。


 付き合ってる女が腐女子だったとしても「まぁそうか」と対処できる。


 なにせ社会という荒波に嫌というほどサプライズされつくしている。

 たかだか腐女子カミングアウトしたところで、リストラよりは平気。


 そんなおじさんなので「自分を否定しない」というお墨付きが生まれる。


 男は「あんたはすごい!」と褒められて肯定されるのを望むが

 女は「あんたは普通」だと否定されないことを好む。


 出る杭をマントル直通レベルにぶっ叩く女社会にとって周りから目立つのは

 「おらおら宣戦布告じゃ!」とケンカ売るのと同じなので

 自然と「肯定されて目立つ」よりも「否定されないこと」の安全性を優先。


 自分が自分らしくいられて、なおかつ愛されるので

 おじさんというのは最高の環境。



3)チャラつかない


 浮気をしている夫を言葉で殺しそうになるシーンはテレビでよく見る。

 

 「たくさんの女性に必要とされる」ことで価値を感じる男にとって、

 1番は妻でも、2~99番の女性にも愛されれば、自信につながる。


 で、女はというと。


 「自分を愛されていない」と死刑宣告を受けたも同然。そりゃ怒る。

 自分は頼っていても、相手にはどうとも思われなかったという一方通行。


 相手を頼っていた部分もあるだけに「無価値」と言われたようなもの。


 おじさんはというと。

 年齢が年齢なので浮気はおろか恋愛などすることもない。

 あったとしても、


 「いやぁ、おじさんはもう歳だからね。恋愛なんてそんなそんな」


 と、照れながらごまかす。


 そう。求めていた「安全性」がここにある。

 ずっと愛され続ける確証がここにある。


 同年代の「浮気される心配があるイケメン」よりも

 おじさんの「浮気されようがない」安心感こそ至高。


 だからおじさんは辞められない。

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                       終




「ふう、書いた書いた。これで1日分のネタはしのいだぞ」


筆をおいたとき、どこからか声がした。



『ふふふ、恋愛経験ゼロのガキが知った風なエッセイを書いて

 得意げになっているようだな……』


『いいわ、あなたが何でも正しそうに書くのなら

 まずはその間違った幻想をぶち殺してやるわ』



やってきた男と女は、お世辞にもモテる顔じゃなかった。


「お前にも見せてやろう。人間が見るのはそんな表面的なものではない」


「人間が本当に見るのは心だということをね」


顔の作りからして現代人にモテようがない2人だったが、

街に出るなり男女に取り囲まれる大人気になった。


2人を手に入れようと誰もがやっきになっている。


「そ、そんな馬鹿な……!? どうしてこんなにモテるんだ!?

 ロリコンでもないし、枯れ専ともいえないほど歳くってるのに!!」



「それが人間の本質というものだよ」


「わかってくれたようね。みな、顔で判断する生物じゃないのよ。

 ネタが尽きたからって考察エッセイでごまかさずに勝負することね」



そして、2人の男女はそれぞれの1万円札と5千円札の中へと戻っていった。

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