2024年4月25日増補・新話数はこの6話数!!

【緊急補足】みんなの大疑問「なぜロシア経済はいまなお崩壊していないのか?」の謎を解く(前編) ←ルーブル買い支えているから

プーチン氏が戦勝記念日演説、「世界は再び決定的な転換点に」

https://jp.reuters.com/article/ww2-anniversary-russia-parade-putin-idJPKBN2X00GB?taid=645a1c10454148000195027


5月9日は露助にとって重要な対ドイツ戦勝記念日に当たるそうなのですが、しかし「プーチンさん(←ハゲヅラ)が被害者ヅラするのは如何なものか…( ・᷄д・᷅ )?」という意見も多数あるかと思われます。プーチン・ロシアが起こした侵略戦争であるウクライナ紛争も既に1年と三ヶ月。二年目の対独戦勝記念日を迎えた露助の現状を一言で言うと相変わらずの「苦境のターン」です。


彼らが何故かこだわったバフムトという戦域において、ウクライナ軍の5-7倍近い戦力を集中し数ヶ月に及ぶ大攻勢をかけた挙句、今なお攻略できず(5/22補足:中心部はほぼロシア軍が陥落させたようですが、郊外の南北方面からウクライナ軍が包囲撃滅を狙って反転攻勢を加えて続けているようです…)。その一方で深刻な兵員不足(一説によると死者累計10万人以上、負傷合わせると20-25万人の損害)、弾薬・補給物品の慢性的な不足に加え、兵站の混乱と政府・軍・複数の傭兵部隊との軋轢と齟齬が露呈し決定的な勝利を得ることが出ないばかりか、ロシア国内外において実行者不明のテロおよび攻撃が頻発するという内憂外患の状況を呈しています。


民心の混乱もあるようで、例えば犯罪率や殺人件数は開戦後に急激に上昇しており、2020年時には殺人事件が大体7600件くらいだったものが現在では一万件を超えるほどに急激に増加しているようで(ロシア内務省の暫定値)、勝利のない戦争に対するロシア人の不安がまずは犯罪増加の社会不安の形で表出したと考えるべきかもしれません。徴兵逃れで多数が逃亡(=長期の海外旅行)してたり、言論統制の割には「ロシア苦戦中」の話がダダ漏れだったりなど、独裁国家らしくない「緩み」も多く見受けられます。おおっぴらに口蓋しないものの厭戦気分は高まっているようで、直接的な表現はさけつつも自軍ロシアの無能ぶりを嘲笑するようなネットの書き込み等も散見されるようになり、「トイレの落書きは世相の反映」をそのまま表すような話でコレはこれで大変興味深いものだとは思います。


勝ちが見えないので精神的にボロってる…ということです


とはいえ、現在のロシアは革命前夜もしくは崩壊寸前…とは言えない「安定した」状況です。特に、当初予想されていたような「ロシア国家破綻」には見えません。実際、BBCのロシア駐在記者のレポートなどでは「奇妙な程、おだやか」というレポが届いていたほどで、我々が今すぐロシア国内に行っても「あれっ? 全然戦争の雰囲気ないじゃん…(゚д゚)!?」と実感すると思います。みなさんが疑問に思うことはこの点で、


大規模な経済制裁を受けた割には、その悪影響が出ていないのは何故か…( ・᷄д・᷅ )?

経済制裁って全く無意味なんじゃね…ಠ_ಠ;?


…という事でしょう。しかもこれに関しては専門家はじめ様々な意見がありますが納得のいく回答を見つけたことはないと思います。そこで「なぜロシアは経済制裁を生き残っているのか?」という疑問にお答えしようと思います。新自由主義者・マネタリストならば分かることなのですが…



通貨ルーブルの防衛に注力したから…m(_ _)m



…これだけです。今回のウクライナ侵略戦争で唯一、ロシア側に見るべきものがあるとしたらこの「新自由主義的な国家防衛の仕方」だけです。これは経済学を学んだことのないプーチンに分かる方法ではなく、それどころかこれまでのほぼ全ての国においても「見られなかった」程の良好な効果を発揮する「マネタリズム的な魔法」です。恐らくはロシア中央銀行総裁にして新自由主義的なアプローチを採る才女・ナビウリナあたりの「悪知恵」と思われますが、現在のロシアを見る限り絶大な効果があり、その結果、現在のロシアの方が平和で穏やかな生活が出来ているように見えているのです。説明します。





○国家を換金できる「資産」と考えた場合、カネの暴落を阻止できれば換金性財産の国家の暴落も阻止できるという考え方 ←ルーブルの買い支え


過去の世界史を紐解くと、国家破綻や政変・革命時には必ず「激しいインフレ」が発生しています。フランス革命やロシア革命・江戸幕府倒壊時などがそうで、物凄い物価高=激しいインフレが民心の離反と政府打倒の原動力となっている事が分かります。つまりインフレは国家を破滅させる原動力です。また革命に至らなくても、時の政府を瓦解させるに十分な破壊力を持ちます。特に読まなくても良いですが、こちらにその理屈を…m(_ _)m



国家・政府の存亡は景気が決定し、景気はインフレが決定する ←なぜ高度福祉国家で左派政党が敗北したのか?…の理屈について

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885841125/episodes/16817330655339228429



歴史上、インフレは独裁国家や王政・貴族政体を破砕しただけでなく、現在の議会制民主国家においても致命的な結果をもたらします。インフレは全ての政権与党にとっての逆風です。今後、もしどこかの国で与党や政府が大敗した…という外伝が伝えられた時には、まずはインフレが原因ではないか?…と疑ってみる癖をつけるべきほどです。

ということは、「インフレを抑圧する」事ができれば民心は「いかなる政治状況でも」安定しうる…という可能性が出てきます。つまり「メシが食えるのならば、まずは様子見」という雰囲気を作り出すことが出来るということで、為政者にとってインフレ対策は、まことに重要な事になります。


インフレとは「モノに対してカネが多すぎる」ということです。

これはモノに対する相対的なカネの価値が下落したという事です。よってインフレの本質的な意味は「カネの価値が下落する」ということです。カネの価値が下落する=インフレだったのです。そしてインフレは国家を破滅させる悪魔の力です。なら国家防衛とは「カネの価値の下落を防止する事」になります。よって今回のロシアが破滅していないのはコレをやったからです。「ルーブルの価値を守った」ので、差し当たり今でも仮初めの平和を露助どもは享受できているというだけのことです。では、どういう防衛策を採用したのか?…ですが、これまた実は簡単なカラクリです。こちらです…m(_ _)m



https://kakuyomu.jp/works/1177354054884987864/episodes/16817139557095231983

ロシア中央銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナの孤独な戦争(中編)〜ナビ公「男がバカだと女は苦労するわよねー」イエレン「あらやだー」ラガルド「せやな…」



…この中にある「外国企業に対して輸出代金のルーブルでの支払い命令」がソレです。

ルーブルは全面金融制裁を食らった時点で即死しました。これはルーブルが世界の基軸通貨ドルから切り離され輸出入でルーブルが使えなくなった事や、ロシア国内外での投資にルーブル(←ドルに換金して投資する…などの為替操作が必要なカネ)が使えなくなった事などによりルーブルはロシア国内でしか通用しない通貨になったということです。カネ的にいうなら「強制的に鎖国させられた」ということです。


完全に全てを自給でき輸出入の必要が全く無い国家or対外投資や外国からの資本流入を必要としない社会ならなんとかやっていけるかもしれませんが、現代のロシアは鎖国国家ではありません。エネルギー資源を中心に鉱物や農産物、少しだけチタニウムなども海外に売却し収益を得ていたわけですから…。これらの輸出入の決済にドルが使えない=ルーブルが使えないということであり、また国外投資によるリターン収入の道が途絶え、同時に海外からの資本流入が途絶えたことから資本不足に陥ることになります。


同時にロシア中銀の資産であった主な外国債券(米国財務省債=米ドルなど)に全面禁輸がかかったため、取り崩す事も利払いを受けることも出来なくなったということです(平和になったら利払いくらいは得られるのかもしれませんが…)。ロシア中銀が持っていた資産の殆どが消滅したことになり、わずかに残る中国人民元(大体10-15兆円前後と想定。この人民元の利払い収入は得られる)と地金のGoldくらいしかカネになりそうなものはなく、しかもGoldはいくら持っていても金利を産まない資産です(なので通常、中銀は基本資本に外国債権を利用する。利払い分は通貨供給量増加に回せるから)。そして海外から輸入する時の決済時、外貨準備高が尽きたら本当にデフォルトします。


通貨の価値は「交換(=決済ツール)」「保存(=資産化)」「尺度(=値段・価値付け)」の三つとされていますが、ルーブルはこのうちの「交換」機能が死んだため他二つの「保存」と「尺度」の機能も喪失し、このためルーブルは紙くずになった…という事になったわけです。

この紙くずになったという結果=「ルーブルの価値が(極限まで)暴落」し、モノに対してのルーブルの価値が大暴落したために「インフレ」が発生する条件が揃ったということになります。本来なら、此処でロシア、TheEndでした。ロシア国内にどれほどのルーブル資産があったとしても全部紙くずになり一文無しになった+ハイパーインフレ発生のはずだったからです。


これに対してロシアは奇策に出ました。ロシアの輸出企業などに対して「持ってるドルを(ほぼ全て)ルーブルに変えろ!!」という無茶な命令です。

主にエネルギー系企業が欧州などからゲットした輸入代金≒ドル決済をロシアの決済銀行(ズベルバンク等)に入金させ、此処で強制的にルーブルに換金させる…というやり方です。これはどういう効果があるかというと「外国が自国通貨を購入した」のと同じ効果があります。買い支えです。



○自国通貨の買い支えの効果について


そこで実感の出やすい「円の買い支え」について、円高ドル安を例に考えてみます。

市場参加者が日本円(←この場合日本国債など)を購入し、その決済にドルを使った=ドルで円を買ったとします。結果、円は流通量が減ったことになりそれだけ「希少価値」化したので円高になり、逆にドルは売られて市場に増えたので価値が下がった。このため円高+ドル安になったという事です。これを日銀が組織的にやれば、自国通貨防衛になります。その一例が2022年時の日本円防衛の為替介入です。当時、海外のヘッジファンドを中心に「空売り」を仕掛けて日本円を暴落させ、その差分でボロ儲けしたろ…と企んで急激に円安が進んだことがありました。これを防衛するため日銀は自分の持ってるドルを売り払って市場から円を購入して「円高」に持っていった「通貨防衛」為替介入を実施。大体、日本円の場合、1兆円の介入で対ドルで2.5-2.8円程度動くとされ、この時には一気に約5兆円程度のドル売り円買い介入をしたのではないかと言われています(結果、ファンド勢は空売りで大損し、撤退。よって以後、大規模な円安はなくなった…)。


逆を考えるともっと分かりやすいかも知れません。自国製品の輸出力を高めるために自国通貨を売り飛ばし介入して意図的に下げる事で、一般的に「為替介入」といえばコレのようです。昔、日銀がヤッていた為替操作介入です。1970年代〜80年代前半はドル(米国債)をガンガン買いまくり、結果として円が市場にガンガン出回ったので「円安」。この円安は主に輸出企業を支援するための介入であり、米国が「貿易黒字が溜まってんのに円安はおかしいだろ!!」と激怒していた理由であり、現在、日銀が保有する米ドルが約1.2兆ドルもある理由です。韓国なども意図的にやってるようです。


  ※     ※     ※


要するに市場で他国通貨を使って自国通貨が買われれば「自国通貨高」、逆に外国通貨で自国通貨が売り飛ばされれば「自国通貨安」になります。唯一の違いは、自国通貨高の操作(買い支え)は中央銀行の外貨準備高分しか操作出来ないのに対し、自国通貨安(売り飛ばし)は理論上、いくらでも可能…という違いがあるだけです。日銀だったら、日本円が暴落した時、日銀保有の米国債約130兆円くらいまでは買い支えることが出来、また逆に円安誘導したいと考えたらほぼ無限大に買いまくって円安にしたらいい…ということです。「無限大に買いまくったら大損しないのか?」…ですが、「大損します」。買いまくる結果、市場に自国通貨が出回りすぎ=カネの総量が増える=インフレ(←物価高)ということになり、国民が物価高という苦しみを味わうという事です。自国通貨の価値が暴落し、国民生活がちゃんと犠牲になって収支が取れる…という事です。いわゆる「インフレ税」というヤツで、特に貧乏人が苦しむ逆累進性の強い「税外の税」と呼ばれています。





○輸入代金=ドルを得たオリガルヒなどに強制的にルーブルを買い取らせた…ようなもの


今回のルーブルに関して言えば、以下の操作と思われます。

欧州などエネルギーが欲しい国はたくさんあり、いきなりロシアからの輸入は切れない。そのためこのエネルギー分の支払いは暫定的に制裁から解除されていた。そのためロシアはこの分はドルなどでの決済が許されていた(←儲けた分のドルを国外で投資などに使う事は出来なかった)。そこでこの入金されたドルを強制的にルーブルに置換した。これは「ドルを売ってルーブルを買った」という操作と同じことになり、あたかも外国人によってルーブルが買い支えられたor外国からロシアに投資が行われた…と同じ効果が出たのです。


奇策といえるのはこの操作のやり方で「ルーブルとドルの為替取引をしてはいけない」という西側の制裁があったため、市場や外国金融機関を通すことが出来ずロシアの民族系金融機関(ズベルバンクなど)に強制的に入金させ、この金融機関の内部処理として「ドル→ルーブル」に置き換えたという事です。通常は中央銀行がやるべきことを民間の決済銀行がやったわけで、これもロシア政府と癒着の強いオリガルヒがロシア経済を握っていてプーチンの命令に逆らえない…という特殊な政治構造ゆえ可能だったというやり方です。また海外資産をもつ企業などにも同様の強制置換を命じたり、海外通貨とのルーブル交換に制限をかけたりなどの様々な「ルーブル流出」防止策を採用して金融防衛に努めました。


普通の民間企業だったら「そんな命令断固断る(# ゚Д゚)!💢」で終了です。なぜならルーブルは既に紙くずに化けたので、「この紙くず(ルーブル)をドルで買った」にしかならず、自分で稼いだ貴重な外貨で外れ馬券を買うのと同じくらいバカバカしいからです。本来ならドルを溜め込んでおいてプーチン政権が崩壊した後、企業が生き残るために使う資産とするのが当然だからで、ましてや外国に残置している資産を政府が回収するというのは事実上の「外国資産の接収」と同じ意味なので国際関係を考えればやりにくいはずでした。とはいえロシアは全面制裁を食らったので「お返し」程度なのかもしれませんが…。


現在のルーブルに関しては、この結果は良好です。

ロシアは大体、この1年で12-15兆円程度の外貨収入があったと言われています(最大推定値)。この内の大体八割くらいがルーブルに置換=外国によって買い支えられた…になりました。合わせてルーブルが世界市場から閉め出された結果、極めて小さい市場(←ロシア国内市場のみ)に縮小したことも重要です。この小さな器の中に10-12兆円もの大量の「真水」が注がれたためにルーブルは暴落しなかったということです。

日本などでも似たような事は観測され、例えば盆暮れ正月やGW期間中のような日本円参加者が少ない時期、突然、数円程度の円高or円安に振れたりすることがあります。これがそうで、普段より遥かに少ない金額で為替が動かせるため、それを狙って「お小遣い稼ぎ」するファンドがいるということです(「お年玉」と言われることもある)。要するに、普段なら数兆円必要な変動も、市場参加者が極端に少ないので数千億程度のカネで動かすだけで大きくブレる…ということです。展開はこんな感じでしょう。去年の3月、ルーブルはいきなり大暴落しました。この時から速やかに「ドル→ルーブル置換」による買い支え防衛を始め、小さくなった国内市場における為替市場でのルーブルの価格が急激に安定し、そのまま維持している…ということです。


この「何を差し置いてもルーブル暴落を買い支えによって守る」という決断は、とても利口でした。


ロシアという国をカネで考えれば究極、ルーブルに還元出来ます。ロシアの有形無形の資源資産は全てルーブルで買い取れるということです。なのでルーブルが暴落して紙くずになるとロシアという国家そのものが紙くずになります。ロシア人が持っているルーブルだけでなく、ロシアの全てが紙くずになるということです。全員が破産するという事になるので、ならばルーブルを守りきればロシアの価値が救われる…ということになります。自国の通貨の価値を守れば、これまで溜め込んでいた資産=国家というドンガラそのものを守ることが出来るのだということに気づき、この一点にのみ集中したためロシアはいまなおハイパーインフレを防止出来ているのです。

同時にルーブル暴落を阻止したため、ドルを使わない貿易ではルーブルは暴落すること無く輸出入の決済に使えるということであり、輸入物品の上昇もある程度は抑えられるということです。まあ、実際には全ての通貨はドル換算されるためにドルを使わないと言っても事実上、ドルと根付されてることには変わりなく、ならルーブルの価値が外為上守られているのなら「ルーブルの価値はドルに対しても暴落していない」とも言えます。


「ルーブルの暴落を防ぐことが国民と国家を守ること」ということに気づいて、外貨を使ってルーブルを買い支えた。この買い支え額が縮退したルーブル市場に対して十分に大きかったために今の所、ハイパーインフレ起こしていないというだけのことでした。


しかしこれは偉業で、もしかしたらこれほど組織的に防衛した事例は史上初かもしれません。だとしたらマネタリストの偉業と言っても良いのかもしれません。普通、経済制裁を食らった国家はインフレ悪化を阻止するために財政出動したり、国民にカネをバラ撒いたり物価統制の後に配給制などをやるものでしたが、今回のロシアはそうした供給面でのアクションよりも「通貨の価値」にストレスを置き、国家=全国民資産をカネとして捉え、カネの価値が暴落しなければ国家は破綻しない≒ハイパーインフレ起きるはずない…という通貨の意味を強調した対策をためらうこと無く実行したために、いまなおロシアはくたばっていない…ということでした。「カネの効用を(ケインジアンたちが考えているよりも)より高く評価し、ツールとして活用する」というマネタリズム的な手法は、供給サイドの役割を強調し失業と産業を守るための財政政策の役割を重視したケインジアンに対するアンチテーゼであり、その劇的な効果が出たと言って良いと思います。


他にもよい効果が出ました。インフレ率の低下です。ルーブル介入により買い支えた結果、ルーブルが高値安定し輸入だけでなく生産・流通・保管時のコストダウンを呼び価格の安定化も計れました。通貨安定によりモノに対するルーブルの信頼性が増強され、インフレ抑圧が可能になったのです。この効果は凄く重要で大変意味があります。以前は20%にも達していたインフレが10数%にまで下がったほどです。インフレ率の低下は「低下した分、無駄にカネを使わなくてすむ」ということであり、たとえばパン一個200円だったものが150円に下がれば、この50円分は産業投資や消費=国内景気の下支えに回せます。より景気が良くなるということです。このため実際に、現在のロシアの景気は上向いています。通貨を安定させた恩恵で、これが今のロシア市民の「奇妙な平和」の原泉です。生活が価格安定により「ラクになった」のです。そのため政府への不信感は大きいものの、今の所は静観…という心理に至ったのだろうと思われます。


まさにマネタリズム的戦術の奇跡的な大勝利ですヽ(^o^)丿

このやり方は今後、世界各国で使えるやり方と思われます。


…とはいえ、これで終われば万々歳ですが、当然、そんなはずが無いわけでして(爆死)



             【 後編に続く 】



P.S.

本文中で述べた2022年後半の急激な円安ドル高に関して、いろいろ調べた結果を別途、こちらにUPいたしました。もしよろしければご参照ください。


【本文補足】ドル円とドル・ユーロとの関係について

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885841125/episodes/16817330657353049833

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